著者
翁 百合
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.6_78-6_87, 2009-06-01 (Released:2011-08-05)
参考文献数
16
著者
中路 重之
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.11_31-11_37, 2022-11-01 (Released:2023-03-31)
参考文献数
9

健康・寿命が社会の総合力の指標であることより、その社会に内在するdiversity(本稿ではdiversityを単に多様性という意味で用いた)は常に健康づくり・寿命延伸対策のキーワードであり、ある時は大きな壁となり、またある時は重要な戦術のヒントを与えてくれる。筆者らは日本の最短命県青森で短命県返上に向けての社会イノベーション創出を目指している。具体的には、超多項目データを収集している岩木健康増進プロジェクト(2005年から18年間継続)を軸に一大データプラットフォームを構成し、目指す方向性の異なる産官学民を結集させ、社会イノベーションにつなげようという構想である。収集したデータは原則オープンにされ、それにより、さらに多種多様な産官学民を呼び込み、さらに大きなデータプラットフォームと、並走する新たなプラットフォーム(ソーシャル・キャピタルのプラットフォーム)が確立されつつある。本稿ではdiversityに対応した社会イノベーション創出の事例として筆者らの活動を紹介したい。
著者
小林 俊光
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.7_42-7_45, 2010-07-01 (Released:2010-08-20)
参考文献数
4
著者
松﨑 丈
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.10_28-10_33, 2022-10-01 (Released:2023-02-23)
参考文献数
11

聴覚障害の状態は多様で、聴覚障害当事者は一人ひとりの聴こえ方が異なっており、音声言語あるいは手話言語のどちらかを主要な使用言語としている。本稿では、この多様性を踏まえた聴覚障害のある学生や研究者に対する合理的配慮と事前的改善措置の具体的な内容を解説するとともに、大学や研究機関における聴覚障害領域での合理的配慮と事前的改善措置を推進させるための重要課題として、聴覚障害当事者の「意思の表明」への支援、人的資源に依存した手話通訳や文字通訳の質的保障を高めるための体制整備について述べる。さらに、音声言語優位の聴者多数社会で発生する意思疎通や情報獲得における社会的障壁を不可避的に経験している聴覚障害当事者の本質的能力の問題や心理的問題への対応について聴覚障害当事者の視点も交えて論じる。
著者
岩井 紀子 林 萍萍
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.12_18-12_26, 2021-12-01 (Released:2022-04-22)

自分や家族が感染する不安感は、感染者の増大局面に高まり、政府の対応に対する評価は増大局面で低下した(NHK政治意識月例調査)。2回目の緊急事態宣言下の2021年2月に実施した日本版総合的社会調査によると、感染不安は、女性、高齢者、製造業と不動産業従事者、慢性疾患のある人、経済的不安を抱える人、感染リスクを強く感じている層で強かった。感染する可能性が高いと考えていたのは、50歳以下、慢性疾患のある人、正規雇用者、医療・福祉サービス従事者であった。政策への評価は従事する業種や支持政党により異なり、経済不安をもつ層で低い。感染するのは本人の責任という考え方は、他人に向けられるが、それ以上に自分に対して厳しい。経済活動より感染拡大防止を優先すべきが68%、プライバシーより行動追跡を重視する意見がやや多く38%、国境封鎖は72%、移動制限は75%が重要であると考えていた。国会議員への信頼感は低下し、2000年以降で最も低い。
著者
山極 壽一
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.9_12-9_16, 2022-09-01 (Released:2023-01-27)
参考文献数
4

現在、私たちは人新世(Anthropocene)と呼ばれる時代にいる。それは1950年代以降に始まったグレート・アクセレーションという、人口、海外投資額、化学肥料の使用量、海外への旅行者数などに見られる急激な増加に直面していることを意味する。その結果、地球上の哺乳類のバイオマスの9割以上を人間と家畜が占め、地球の陸地の4割以上が人間と家畜の食料を生産する畑地と牧場に変わってしまった。地球の限界を示す9つの指標のうち、生物多様性とリンと窒素の循環がもう限界値を超えている。このままでは地球も人類も共倒れになってしまう。いまここで立ち止まって人類の進化と文明史を振り返り、われわれがどこで間違ったかを考えてみなければならないのではないか。それが本発表の主旨である。
著者
井田 仁康
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.11_10-11_14, 2019-11-01 (Released:2020-03-27)
参考文献数
9
被引用文献数
1
著者
池田 智明
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.4_8-4_14, 2010-04-01 (Released:2010-10-18)
参考文献数
15
著者
小坂 優
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1_66-1_69, 2022-01-01 (Released:2022-05-31)
参考文献数
3

IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書の第3章は、大洋・大陸~地球規模の空間スケールについて、気候モデルの再現性能の評価と、観測された変化に対する人類の影響の検出と定量化を行った章である。特に地球温暖化、つまり地球全体で平均した地表気温の上昇について、1850~1900年の平均を基準とした2010~2019年の10年平均に対し、人為起源の影響は1.07ºC(不確実幅0.8~1.3ºC)の地球温暖化をもたらしたと評価した。この推定幅は、観測データに基づく同じ期間の地球温暖化レベル1.06ºC(不確実幅0.88~1.21ºC)を内包する。地表気温以外にも様々な気候指標において人類の影響が検出され、いくつかについては人為起源影響が変化の主要因であると評価されている。これらの根拠により、人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない、と結論づけられた。