著者
佐藤 岩夫
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.5_12-5_18, 2021-05-01 (Released:2021-09-24)

科学技術基本法が2020年6月に改正され、法律の名称も「科学技術・イノベーション基本法」に改められた。同法の改正は、1995年の法制定以来四半世紀ぶりのことである。この間、日本の科学者の代表機関である日本学術会議は、折に触れて従来の科学技術基本法には看過できない問題があることを指摘し、その改正を提言してきた。日本学術会議の主張の骨子は、①人文・社会科学を含む総合的な学術政策の実現、②基礎科学・基礎研究の推進、③政府の科学・技術政策への科学者コミュニティの意見の反映の3点である。本稿は、これまで日本学術会議が発出してきた提言等を振り返り、今回の科学技術基本法改正に至る日本学術会議の取り組みと基本的な問題意識を改めて整理するものである。今回の基本法改正に合わせて内閣府設置法が改正され、科学技術・イノベーション政策に関する司令塔機能の強化が図られることとなった。科学技術・イノベーション政策や基本計画の策定に科学者コミュニティの意見を反映させる日本学術会議の役割は益々重要となると思われる。
著者
井上 洋一
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.13-17, 2007-02-01 (Released:2012-02-15)
参考文献数
4
著者
吉川 弘之
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.15, no.12, pp.12_8-12_21, 2010-12-01 (Released:2011-03-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1
著者
清水 武則
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.8_32-8_37, 2022-08-01 (Released:2022-12-23)

日本のモンゴルへのODAは戦略性を有し、モンゴルのニーズにも合致したものであった。1990年の民主化の翌年には海部総理がサミット国のリーダーとして初めてモンゴルを訪問し、いち早く国際支援国会合の開催など支援策を打ち出し機動性もあった。背景には、ベーカー国務長官(米国)の日本への高い期待があった。日本のODAは90年代の経済危機の時代、2000年代の経済発展段階、2010年頃からの無償卒業国入り以降の新空港建設などの大規模事業への支援を経て、今日新たな段階に入った。無償供与は人道支援以外は基本的に実施困難であり、借款もモンゴルの債務負担能力がネックになっている。ODAの実施を梃子として発展してきた両国関係は、今日、戦略的パートナーシップの段階にあり、モンゴル国民の日本への信頼も良好な発展を示してきたが、ポストODAの時代においては民間交流が重要な役割を果たす必要がある。両国はEPAを締結し2016には発効したが、当初期待したモンゴルの対日輸出の拡大は達成できていない。モンゴルの中国への依存度が高まる中で日本としてできることは産業振興のための技術協力、日本からの観光客の拡大のための協力等が考えられるが、ODAの役割が確実に小さくなっていることだけは間違いない。
著者
玄田 有史
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.2_16-2_20, 2021-02-01 (Released:2021-06-30)
参考文献数
7
著者
筒井 淳也
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.9_47-9_49, 2022-09-01 (Released:2023-01-27)

コロナ・パンデミックは私たちの生活にかつてない規模と強度の接触制限を要請した。その影響は、仕事生活と私生活の両方におよび、またそれは職業およびジェンダーによって異なって(これら要因によって構造化されて)いた。接触を伴う職業(サービス、医療等)が制限され、女性や小規模企業(自営等)が偏った影響を受けた。近世社会と違い私たちの生活を職業集団が包括的に規定しているわけではないが、それでも職業や従業上の地位は社会において重要な位置を占める。調査データの分析によれば、コロナ・パンデミックに伴うネガティブな影響は職業や業態ごとに顕著な違いを示している。行政による対応は事業収入や住民税非課税といったきめの粗い条件ごとになされたが、次に来る可能性のあるパンデミックにそなえ、より解像度の高い支援のあり方を模索する必要がある。
著者
白波瀬 佐和子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.5_12-5_16, 2022-05-01 (Released:2022-09-22)
参考文献数
8

戦後日本は、奇跡的とまで言わしめた経済成長を達成し、その背景にはジェンダーによって明確に分担される役割配分構造があった。戦後75年を過ぎた今も当時のジェンダー規範を温存し、諸制度の前提と位置づけている状況を根本から見直すには至っていない。それゆえ、女性の高学歴化が進んでも労働者として公平、正当に評価されてきたとは言い難い過去を引きずり、コロナ禍にあって大きなジェンダー格差が露呈した。本論では、家庭内性別役割分担、女性の働き方、女性内格差と、生活保障機能を提供する親密圏としての家族の在り方、について議論する。 男女間に加え、女性内、男性内の年齢、配偶関係、家族関係、さらには人種による格差の存在は、社会の分断をさらに進めることになる。本稿では、ポストコロナに向けた包摂的な社会を考えるためにも、何がいま起こっているのかを改めて確認し、議論することの意味を示す。
著者
北川 尚美
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1_42-1_47, 2020-01-01 (Released:2020-05-29)
参考文献数
5
著者
黒田 嘉紀
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.10_24-10_27, 2019-10-01 (Released:2020-02-28)
参考文献数
8
著者
綾屋 紗月
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.10_40-10_45, 2022-10-01 (Released:2023-02-23)
参考文献数
15

当事者研究と先行研究に基づくと、教育や研究の場面において生じる自閉スペクトラム症者の困難は四つに大別できる。一つめは感覚過敏であり、ストレスや不安、過剰適応の影響を常に考慮する必要がある。二つめはコミュニケーションの齟齬であり、その原因を自閉スペクトラム症者に負わせるのではなく、参加しやすいコミュニケーション・デザインや情報保障を考慮に入れることが重要である。三つめは実験や実習、レポートなどの課題を計画的に遂行することの困難であり、課題の文脈と作業のディテールという、マクロ・ミクロ双方の情報保障が有益な可能性がある。四つめは不器用さであり、教育課程のうちから自分のペースで機器の取り扱い方を練習する機会を保障することが望ましい。自閉スペクトラム症を含む精神発達障害全般において、先行研究のみならず当事者の語りや当事者研究の報告が、合理的配慮や基礎的環境整備を具体化する上で必須の知識と言える。
著者
小川 眞里子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.10-15, 2008-04-01 (Released:2012-10-30)
参考文献数
11
被引用文献数
2
著者
本間 研一
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.24, no.8, pp.8_20-8_31, 2019-08-01 (Released:2019-12-20)
参考文献数
56
著者
吉川 弘之
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.23, no.8, pp.8_72-8_78, 2018-08-01 (Released:2018-12-14)
参考文献数
8