著者
高村 禅
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本年度得られた成果を列挙する。1. RNA抽出条件の精査と品質の確認これまでの研究で開発した変性剤を用いたトラップ抽出法でも、PCR可能なことが確認されたが、本年度はさらに品質を上げるため、変性剤を用いない方法の開発を試みた。その結果、一旦70℃以上にサンプルを過熱し、一旦熱変性させ、その後常温で速やかにトラップすることで、十分なトラップが可能な条件が見つかった。本法は、変性剤を用いないため、後処理に対する影響が少なく、より適しているとがえれる。2. 単一細胞よりRNAを瞬間抽出し、解析部に確実に渡すためのチップ開発本年度は、特定の検出方法に特化した、チップの設計・最適化を行う。現在、パフォーマンス上のボトルネックとして、単一細胞をチップ内に導入する工程である。したがってここを改善するため、複数の細胞をが含まれている液より、単一細胞を自動的にピックアップし、それぞれの解析流路に一つずつ導入する、微小流体デバイスを開発した。これは、本法以外にも、単一細胞の解析、特に再生医療等での利用が期待されている。3. RNA解析方法の開発3-1 チップ内集積化可能な簡易解析方法の開発昨年度開発したチップ上にミネラルオイルを保持する方法をさらに発展させ、ミネラルオイルを用いない方法の開発に取り組む。具体的には、チップ内部の、水上気圧を制御し、かつガスを投下しにくい膜をチップ内にコーティングする手法を検討する。ミネラルオイルを用いずとも、蒸発が抑えられることを確認した。3-2 チップ外の装置を組み合わせたより高度な解析法の開発チップ内で抽出したRNAをゲル内に保持し、外へ取り出す手法により、定量的な評価を行った。
著者
小林 孝一
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題では,ハイブリッドシステムの制御における計算の効率化に取り組んだ.成果として,有限オートマトンの安定化に基づくモデル予測制御手法,およびオフライン計算とオンライン計算の両方を用いた精度保証付き近似解法を提案した.また,数値実験により計算の効率化が実現されたことを確認した.さらに応用として,ブーリアンネットワークモデルで表現される遺伝子ネットワークの解析と制御にも取り組んだ.
著者
グエン ミンレ
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

意味解析の改良をねらい,文脈素性を用いる方法を実装することを主に研究した.また,意味解析モデルを実装するのにラベルなしデータがどのように有効かについても研究しました.これらの点に関して,注釈のない大規模コーパスを語クラスタモデルによりモデル化し,識別学習モデルのための素性を抽出しました.意味表現と自然言語文の同期モデルを学習するために, forest-to-string法を適用した.この問題に対し,我々は,機械学習および線型計画法を用いて,法令条文の項(paragraph)の論理構造を2段階で学習する新しい枠組みし示した.