著者
緒方 和博
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

我々の生活を便利にするシステムは高信頼であるべきだ。さもなければ、多額の財産を失う等の多大な不便をこうむることになる。システムを高信頼にするために使うことのできる技術のひとつはモデル検査である。システムが期待される要件を満たすかどうかを自動で検証出来る。しかし、システムの到達可能状態空間が大きくなり過ぎてモデル検査不能になる問題が起こる。本研究計画では、到達可能状態空間を複数の部分空間に分割し、各々の部分空間でモデル検査を行えるようにすることでこの問題を緩和することを試みる。加えて、複数の部分空間に対するモデル検査を同時並列に実行することでモデル検査の効率化も試みる。
著者
大内 康治
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
巻号頁・発行日
2020-03

Supervisor:上原 隆平
著者
前之園 信也 田口 友彦 向井 康治朗 高倉 正博 和栗 聡 松村 和明
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

磁性-プラズモンハイブリッドナノ粒子(Ag/FeCo/Agコア/シェル/シェル型ナノ粒子)を創製し、このナノ粒子を用いてオートファゴソームの磁気分離に挑戦した。ハイブリッドナノ粒子を哺乳細胞にリポフェクションし培養したところ、30分後にはナノ粒子がVps26と共局在し、その後LC3と共局在する様子が観察された。最適なタイミングで細胞膜を温和に破砕し磁気分離に供した。磁気分離分画にはLC3-II、トランスフェリン受容体、及びLAMP2が濃縮されていたが、LC3-Iは含有されていなかった。これらの結果はオートファゴソームが単離できたことを示している。
著者
松見 紀佳 VEDARAJAN R
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

ポリボロシロキサンのアニオントラップ能力を活かした新機能の創出として、ポリボロシロキサンを支持高分子材料とした高分子イオンゲル電解質の作製とそれらの特性の検討を行った。従来我々が開発した手法によりポリボロシロキサンを合成した後、1-アリルイミダゾリウム TFSIと各種リチウム塩を添加し、高分子イオンゲル電解質を作製した。それらのイオン伝導度の温度依存性に関して交流インピーダンス法により検討した。得られた高分子イオンゲル電解質は概ね10-4 Scm-1以上の高いイオン伝導度を示し、とりわけリチウム塩としてLiFSIを加えた系において最大で1.8x10-3 Scm-1の最大のイオン伝導度を示すに至った。また、イオン伝導メカニズムに関しても知見を得るため、Vogel-Fulcher-Tammannプロットを行い、系内のキャリアーイオン濃度、イオン輸送の活性化エネルギーに関しても算出した。全般に、LiFSI添加系においてはキャリアーイオン濃度が向上し、かつイオン輸送の活性化エネルギーが低下することが明らかとなった。電解質の電気化学的安定性に関して、Li/電解質/Pt型セルを用いた直線走査ボルタンメトリーにより評価し、約4V近く(Li/Li+)の電気化学的安定性を有していることが明らかとなった。その後、Vincent-Evans-Bruce法により系内のリチウムイオン輸率を交流インピーダンス法と直流分極法の併用により算出したところ、常温において0.40のリチウムイオン輸率を観測した。総合的にイオン輸送特性と電気化学的安定性に優れた電解質であることが見出され、様々なエネルギーデバイスへの活用が期待される。
著者
飯田 弘之
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は詰将棋を題材としてコンピュータによる自動創作とその美観評価を探求した.深層証明数探索アルゴリズムを考案し,証明数を用いた詰将棋の感性評価実験を実施した結果,問題の難易度が評価に大きな影響を与えていることをつきとめた.美観評価の高い問題の自動創作に際して,名作と呼ばれる詰将棋の初期局面を形状保持するヒューリスティックを考案し,評価実験により提案手法の有効性を示した.感性評価の新たな方法としてゲーム洗練度の指標を用い,パズルや思考ゲーム等を対象とした評価実験の結果,長い歴史の中で洗練されいまなお親しまれているゲームやパズルは,ゲーム洗練度の値がほぼ同じであることを確認した.
著者
前田 一之
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2017

わが国に限らず, 近年の大学ガバナンス改革は, 上意下達型の官僚制モデルを組織の調整メカニズムとして用いる点に特徴がある. しかし, 組織の形態は多種多様でありヒューマンサービス組織である大学において官僚制モデルが有効に機能し得る根拠はない. かかる問題意識に基づき筆者が先に行った研究(奨励研究 課題番号16H00084)では, 選抜性で統制してもなお, 柔軟性と革新性を志向する組織文化が組織の運営効率に好影響を及ぼしている実態が明らかとなった. あわせて, この研究では, 集権型の組織構造が, 運営効率に対して効果を有していない事実も明らかとなった. 一方, この研究では, 単一の個人による認知を組織文化一般として, 取り扱っている点に限界があった. そこで, 本研究ではマルチレベル分析を用いることによって, 大学の運営効率を高めるメカニズムを解明することを目的として実施された. 設定した課題は二つある. 第一の課題は, 大学レベルでの組織文化及び学長リーダーシップが個人レベルの組織コミットメントや集団の協働意識に影響力を持ち得るのか否か検証を行うことである。第二の課題は, 形成された協働意識が運営効率に対して影響力を持ち得るのか否か検証を行うことである.本研究を実施するうえで, 分析の対象は私立大学, 専門領域は人文系学部に限定し, 調査方法としてWebのアンケートフォームを用いることとした. アンケート送付対象者は, 教員に関しては, 全私立大学のHPを閲覧し, 公表されているメールアドレスを収集した. 最終的に収集したデータ数は178大学, 4831人である. また, 職員に関しては公表されている全私立大学の担当者メールアドレス一覧を利用し, データを収集することとした. 大学の組織文化やリーダーシップの定量的調査において, マルチレベル分析がなされたことはなく, 本研究はその点に意義を有する. 現在, 調査は完了していないが, 解析が完了次第, 成果を公表する予定である.
著者
西本 一志
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

工学研究は,人々の生活を便利にする技術の実現を目的として推進されてきた.しかしながら,過剰で近視眼的な便利さの追求の結果,副作用として各種の問題が生じてきている.この1つの解決策として,筆者らは,妨害的要素をあえて導入することによって,人による人間的な営みに対して,異なる視点,あるいは高次の視点から見た場合にプラスの影響をもたらそうというメディア・デザインの考え方を提唱している.本研究成果報告書では,我々自身の研究事例に基づき構築した,妨害による支援システムのデザイン方法論について述べる.併せて,この考え方に基づき新たに開発した2つの語学学習支援システムの概略を示す.
著者
フェスターガード キャサリン・ムンデランジ
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
CGEIアニュアルレポート
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.9-12, 2012-07

北陸先端科学技術大学院大学 大学院教育イニシアティプセンター 抄録: 大学院教育イニシアティブセンターでは, ファカルティー・ディベロップメント, スタッフ・ディベロップメントおよびサポートプログラムの一環として, ティーチングとスーパービジョンを開始する新任教員に対するプログラムを起草している.プログラムの目的は,大学院環境における,ティーチングとスーパービジョンに関する技術の, 教員サポートと習得である.プログラムでは, 効果的なティーチング, ラーニング, ファシリテーションを,参加者に良く理解させ習得させるため, 概念的知識を実践的能力と統合させる.プログラムでは, また,教員に対し自身の強みと限界を調査するための機会と,学生へのティーチングとスーパービジョンを改善する新しいツール学習の機会を提供する.また, プログラムではフォーラムを開催し,ティーチングとスーパービジョンの開発と評価についての議論を行う.FD ユニットでは,特に日本語が得意でない教員に向けて,サポートシステムを提供するため, 重要な情報の要約を英語で準備している.これらの情報はリーフレットから入手出来るようになる.新任教員の年次オリエンテーションプログラムにて, 新しい教職員へのリーフレット配布をFD ユニットでは望んでいる.センターのウェブサイトでも情報提供し,Jaist 教職員並びに採用予定者はいつでもアクセス可能となる.また,FD ユニットでは, (i)入国手続き, (ii)日本の研究資金提供機関, (iii)福祉制度についての確認を行った.福祉制度には, 健康保険, 年金, 税金, 保育施設が含まれる.FD ユニットではこれらの情報とともに, Jaist教職員サポートの改善提案の機会を提供していく
著者
白井 清昭
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究課題では、ユーザの質問が暖昧であったときに、ユーザに対して問い合わせを行うことによって適切な解答を選択する対話型質問応答システムを構築することを目的とする。前年度までは知識源となるコーパスとして新聞記事を用いていたが、獲得できる知識に偏りがあるという問題点があった。本年度は、より多様な知識の獲得が期待できるウェブを知識源とし、そのために必要なシステムの改変に取り組んだ。ユーザの質問の暖昧性を検出するために、ウェブページ上の表を抽出する手法とテキスト解析に基づく手法の2つを考案した。ウェブページ上の表を抽出する手法では、ユーザの暖昧な質問に対し、それに対応する複数の解答を一覧表示している表をウェブから発見し、ユーザに提示する。質問文中の主要なキーワードが表の1行目または1列目にあるか、残りのキーワードが表の近傍にあるか、表の一行または一列上にあるテキストが質問に対する解答タイプと一致しているか、などの条件をチェックし、条件を満たす表を抽出する。一方、テキスト解析に基づく手法では、まずキーワード検索でウェブページを獲得し、解答候補を抽出する。次にキーワードの周辺にある限定表現をパタンマッチによって抽出する。最後に共通の属性を持つ限定表現をまとめて解答群を作成し、ユーザに提示する。さらに、まずウェブページ上の表を抽出を試み、ユーザに提示するのに適切な表を発見できなかった場合にはテキスト解析に基づく手法で動的に解答群を作成するという形式で、提案する2つの手法を併用するシステムを作成した。評価実験の結果、2つの手法を併用することにより、より多くの質問に対して適切に暖昧性を検出できることを確認した。