著者
朝長 健太 櫻井 康雅 矢寺 和博 川波 敏則 西田 千夏 山崎 啓 中村 武博 吉井 千春 城戸 優光 佐多 竹良
出版者
医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
雑誌
昭和病院雑誌 (ISSN:18801528)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.060-064, 2007-10-01 (Released:2008-03-30)
参考文献数
7

症例は1日25本×50年間の喫煙歴のある67歳男性。15年前から糖尿病の治療歴あり。健診での胸部レントゲン写真異常と労作時呼吸困難のため来院。受診時に低酸素血症(room air SpO2 86%)を認め、胸部レントゲン写真では、両肺野全域にわたる斑状網状影、胸部computed tomography (CT)では気管支周囲の間質を中心としたびまん性の斑状網状影、すりガラス影を認めた。経気管支肺生検にてcellular NSIPに矛盾しない所見が認められ、総合的に非特異的間質性肺炎(NSIP)と診断し、副腎皮質ステロイドパルス療法を含む治療を行い、軽快退院に至った。
著者
山本 隆啓 沖野 せつ子 藤嶋 厚志
出版者
医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
雑誌
昭和病院雑誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.71-78, 2006

当フェニックスデイサービスでは、H17年1月からパワーリハビリテーションを導入した。トレーニングは午前10時からと午後1時からの2部構成で行い、準備及び整理体操とコーヒーブレイクも含めて約2時間である。H17年8月にパワーリハビリテーションの効果を調べるため、アンケートをとり、精神面での活動性の向上を確認する事が出来た。身体機能評価では、いくつかの項目において効果が認められた。男性の52.6%、女性では75%の方々が、「体が軽くなった」と回答。女性の87.5%の方々が、「日常生活が楽に感じるようになった」と回答した。また、女性では50%、男性でも42.1%の方が「パワーリハビリテーションを受けられて、日常生活に活気が出てきた」と回答している。
著者
松岡 成明 久澄 太一 吉水 卓見 福井 仁 松本 一弥
出版者
医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
雑誌
昭和病院雑誌 (ISSN:18801528)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.7-11, 2004 (Released:2005-05-20)
参考文献数
5
被引用文献数
1

松果体は、メラトニンを産生し、睡眠に関係していると考えられています。しかし、手術による松果体切除が、睡眠障害を生ずるか否かについて今日迄はっきりとした記載はありません。私たちは、松果体嚢腫および松果体細胞腫(pineocytoma)の2例の全摘出例について、その影響を検討したので、松果体腫瘍を全摘出した患者のメラトニン分泌とactigraphと睡眠日誌からみた睡眠・覚醒リズムについて報告します。症例1の術後1ヵ月および症例2の術前・術後のメラトニン分泌量は、いずれも2.5pg/dl以下で、日内変動もみられなかった。症例1の術後におけるactigraphからみた睡眠・覚醒リズムの乱れは基本的にみられなかった。14日間における夜間時の各睡眠パラメーターの平均(標準偏差)についてみると、就床時間が406.3分(75.6)、全睡眠時間が369.2分(75.2)、睡眠効率が90.8%(5.4)、中途覚醒時間が37.1分(22.7)、入眠潜時が7.2分(3.1)および昼寝時間が45.1分(39.1)であった。日々の睡眠パラメーターの変動も比較的小さかった。活動量のコサイナー分析の結果、Acrophaseは15~18時の範囲にあり、14日間の平均では、15:32(1:55)、Amplitudeは106.5(19.2)、Mesorは162.9(42.3)であった。最大エントロピー法による解析の結果、第1周期はほぼ24時間、第2周期は12時間であった。睡眠日誌から求めた睡眠パラメータは、actigraphから判定したものより、良く眠れていたと報告していた。症例1でみたように、症候性松果体嚢腫の全摘出術を受けたにもかかわらず、睡眠・覚醒サイクルは、ほぼ正常なリズムを維持していたものと推測された。しかし、症例2のように、術前のメラトニンの分泌レベルは、症例1の術後と同じレベルで日内変動もみられなかった。先行研究では、術前の高メラトニン濃度が松果体腫瘍の診断基準となると言われているので、今後さらに症例を重ねて検討したい。