著者
下村 明子 田中 秀樹 守田 嘉男 張 暁春 三宅 靖子 西田 千夏 島田 友子
出版者
愛知医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

障がい児の平均睡眠時間は8.61時間で健常児より約1時間以上短く,睡眠不足,昼夜逆転も多い。発達障がい児の養育者の平均睡眠時間は平日6.52時間で健常児の養育者より短く,睡眠不足は全体の52.7%,中途覚醒1回以上は80%前後で親子共に良好な睡眠状態ではない。両者の養育者のニーズの違いも明らかで,発達障がい児の養育者は親亡き後の生活保障,子どもの自立,障がいへの理解や支援を強く望んでいる。マットレス下設置センサーのデータから,発達障がい児の入眠困難,昼夜逆転,中途覚醒など健常児との違いが明確に示され,養育者の睡眠に対する意識を高めた。
著者
朝長 健太 櫻井 康雅 矢寺 和博 川波 敏則 西田 千夏 山崎 啓 中村 武博 吉井 千春 城戸 優光 佐多 竹良
出版者
医療法人茜会・社会福祉法人暁会学術委員会
雑誌
昭和病院雑誌 (ISSN:18801528)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.060-064, 2007-10-01 (Released:2008-03-30)
参考文献数
7

症例は1日25本×50年間の喫煙歴のある67歳男性。15年前から糖尿病の治療歴あり。健診での胸部レントゲン写真異常と労作時呼吸困難のため来院。受診時に低酸素血症(room air SpO2 86%)を認め、胸部レントゲン写真では、両肺野全域にわたる斑状網状影、胸部computed tomography (CT)では気管支周囲の間質を中心としたびまん性の斑状網状影、すりガラス影を認めた。経気管支肺生検にてcellular NSIPに矛盾しない所見が認められ、総合的に非特異的間質性肺炎(NSIP)と診断し、副腎皮質ステロイドパルス療法を含む治療を行い、軽快退院に至った。
著者
西田 千夏 合田 友美
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.4_771-4_781, 2022-10-20 (Released:2022-10-20)
参考文献数
20

目的:発達障害特性が感じられる看護師への合理的配慮を含めた現任教育に関する実態調査から,その現状と課題を明らかにする。方法:看護師長等の看護管理者へ,無記名自記式質問紙による調査を実施した。調査内容は,発達障害の診断を受けていることを申告,または「発達障害特性があるのではないか」と看護管理者が感じる看護師の特性や教育上の配慮,合理的配慮に関する考え,等である。結果:看護管理者の認識する課題には,コミュニケーションの取りづらさ,本人が特性を自覚する必要性,他の看護スタッフとの関係,および合理的配慮の周知が存在した。結論:合理的配慮を申告しやすいシステム作りと,感情に焦点を当てすぎない面接により本人の自覚を促すことが必要である。発達障害特性について学びを深め,他のスタッフと一緒に解決方法を探り,到達目標の具体化と業務・環境調整の重要性が示唆された。
著者
西田 千夏
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.2_211-2_219, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
24

目的:本研究は,発達支援を要する子どもとその親への看護実践に看護師の内省が関与する過程を明らかにし,看護への示唆を得ることを目的とする。方法:発達支援を要する子どもに関わる看護師への半構成的面接から,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによる分析を行った。結果:看護師は【発達特性を踏まえた子どもへの理解と対応】と【親を尊重し力を引き出す対応】を実践していた。この実践は,【自分の性格や生活体験と対象者との関係への内省】【看護師としての自分の特徴への内省】によって,【実践のための知識を得る】【親の立場に立つ】【子どもが主体となること】といった動機が現れることによってなされていた。結論:内省によって,自分と対象者の共通点,看護師の陥りやすい傾向,および自分の得意・不得意に気づき,それを自己受容できることで,対象者を主体とした看護実践になり得ることが示唆された。
著者
迎 寛 赤田 憲太朗 川波 敏則 野口 真吾 内藤 圭祐 畑 亮輔 西田 千夏 山﨑 啓 城戸 貴志 矢寺 和博
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

気管支洗浄液を採取した肺炎患者(177名)を対象に16SrRNA遺伝子を用いた網羅的細菌叢解析法を用いて、誤嚥リスク因子の有無により分類し原因菌解析を行った。誤嚥リスク有群(83名)では口腔レンサ球菌が有意に多く検出され、その規定因子として、全身状態不良や1年以内の肺炎の既往が抽出された。これにより、口腔内常在菌として過小評価されてきたレンサ球菌が、誤嚥性肺炎の原因菌として重要なことを明らかにした。また、口腔衛生状態と原因菌との関連性の検討(n=34)では、口腔内衛生状態(OHI)が不良群で嫌気性菌の検出が有意に多く、口腔内不衛生が下気道検体の嫌気性菌の検出に関与すると考えられた。