著者
大浦 律子 南後 守 徳田 順子
出版者
大阪薫英女子短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

〈研究の目的〉繊維や河川の汚れ除去に漂白剤の役割は重要である。しかし近年、塩素系漂白剤がダイオキシン生成の一因となることが指摘され、環境保全の面から酸素系漂白剤の利用が注目されている。本研究は繊維や環境にやさしい酸素系漂白剤の有効利用のために、できるだけマイルドな条件で活性化できる諸種のポルフィリンの金属錯体を合成し、触媒として使用することを試みた。〈実験方法〉過酸化系漂白剤には過酸化水素を、触媒にはポリエチレングリコールと結合したマンガンポルフィリン誘導体を、被漂白物質にはC.L.Acid Orange 7とBC-1(紅茶汚染布)を用いた。分光光度計(島津製作所UV-160)を用い、色素の吸光度変化から擬一次速度定数(K_<obs>)を算出し、色素溶液の退色速度について検討した。また、分光式色差計(日本電色工業SE-2000型)を用い、汚染布の反射率の変化から漂白率を算出し、汚染布の漂白効果について検討した。〈結果〉pH8.0という温和な条件で漂白を行った結果、過酸化水素のみではほとんどC.I.Acid Orange 7の退色が見られなかったが、ポリエチレングリコールと結合したマンガンポルフィリン誘導体存在下では色素の退色が促進された。ポルフィリンの骨格をフッ素化したマンガンポルフィリン誘導体よりも塩素化したマンガンポルフィリン誘導体のほうが大きな効果が認められた。また、ポリエチレングリコールと結合したマンガンポルフィリン誘導体を触媒とした過酸化水素による漂白が酵素類似の反応として取り扱えることがわかった。さらに、汚染布での漂白効果においては、本条件下では顕著な差が認めらなかった。