著者
南後 守 木村 吉晴 伊原 靖二 黒木 宣彦
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.3, pp.405-407, 1987-03-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
11

Stereoselective hydrolysis of amino acid p-nitrophenyl esters was examined for poly (ethylenimine) derivatives with covalently-linked dipeptide containing a histidyl residue in the presence of copper(II) ions. Added copper(II) ions influenced both the rate constant and the ratio of stereoselectivity in the hydrolysis of the chiral esters by poly(ethylenimine)derivatives (Ia and Ib) depending on the nature of the esters and the modified polymers. Added copper(II) ions caused to increase the rate of the reaction, but no significant effect on the stereoselective preference for the quaternized polymer (Ib), indicating the action of copper(II) ions in the hydrolysis of the esters as catalyzed by a histidyl residue on the polymer.
著者
大浦 律子 南後 守 徳田 順子
出版者
大阪薫英女子短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

〈研究の目的〉繊維や河川の汚れ除去に漂白剤の役割は重要である。しかし近年、塩素系漂白剤がダイオキシン生成の一因となることが指摘され、環境保全の面から酸素系漂白剤の利用が注目されている。本研究は繊維や環境にやさしい酸素系漂白剤の有効利用のために、できるだけマイルドな条件で活性化できる諸種のポルフィリンの金属錯体を合成し、触媒として使用することを試みた。〈実験方法〉過酸化系漂白剤には過酸化水素を、触媒にはポリエチレングリコールと結合したマンガンポルフィリン誘導体を、被漂白物質にはC.L.Acid Orange 7とBC-1(紅茶汚染布)を用いた。分光光度計(島津製作所UV-160)を用い、色素の吸光度変化から擬一次速度定数(K_<obs>)を算出し、色素溶液の退色速度について検討した。また、分光式色差計(日本電色工業SE-2000型)を用い、汚染布の反射率の変化から漂白率を算出し、汚染布の漂白効果について検討した。〈結果〉pH8.0という温和な条件で漂白を行った結果、過酸化水素のみではほとんどC.I.Acid Orange 7の退色が見られなかったが、ポリエチレングリコールと結合したマンガンポルフィリン誘導体存在下では色素の退色が促進された。ポルフィリンの骨格をフッ素化したマンガンポルフィリン誘導体よりも塩素化したマンガンポルフィリン誘導体のほうが大きな効果が認められた。また、ポリエチレングリコールと結合したマンガンポルフィリン誘導体を触媒とした過酸化水素による漂白が酵素類似の反応として取り扱えることがわかった。さらに、汚染布での漂白効果においては、本条件下では顕著な差が認めらなかった。
著者
南後 守 大倉 一郎 住 斉 野澤 康則 垣谷 俊明 長村 利彦
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本計画の目標は、光合成での光エネルギー変換系でのタンパク質複合体の連動したシステムの構造とその機能について基礎的な研究を行うために広範囲の研究者と意見交換を行うことである。そして、社会的に要請の強いこの分野の研究に対して貴重な情報を提供することである。この分野の研究の進展が目覚ましく、したがって、基礎的な研究情報の交換を継続して行い、さらに、共同研究へと発展させることが必要である。本計画では、光合成での光エネルギー変換システムでの基礎的な研究に焦点を絞り、つぎの3点について研究情報の交換を行う。1)アンテナタンパク質複合体の動的構造と機能の関係、2)光エネルギー変換系での色素の構造と機能との関係 3)光エネルギー変換機能をもつデバイスの開発。講演会を年間5回開催して情報交換を行った。講演会では光合成、光エネルギー変換、タンパク質複合体および色素の構造と機能、核酸、分子モーターのキーワードで互いの最先端の仕事内容を発表していただいた。この研究会に参加していただた方はそれぞれの分野でのスペシアリストなので講演会で情報交換を行うことが本研究の企画を進めることになった。ここで、主な研究費として、会議費、国内旅費、それに伴う消耗費が必要となった。また、必要に応じて研究会のメンバー以外の方に講演、事務処理などの手伝いを依頼した。ここで、謝金が必要となった。さらに、外国人研究者(Prof, Scheer(独)およびProf, Cogdell(英))に来日していただいて臨時セミナーで講演してもらった。ここで、この分野の先導的な欧州の第一線の研究者と交流をもつために外国旅費が必要となった。