- 著者
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福田 茉莉
- 出版者
- 岡山大学大学院文化科学研究科
- 雑誌
- 岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.1, pp.1-15, 2007-03
今や占い情報は、朝の情報番組やインターネットなどで容易に取得できる。多くの女性誌が占い情報を掲載し、インターネットでも占いサイトが充実している。占い師の出版する書籍がベストセラーになり、女性雑誌は占い特集号として刊行するとその売上が伸びる(種田、1998)。占いは産業として成り立ち、その市場規模は1兆円産業といわれる(「AERA 2003.11.3」)。1998年にNHK放送文化研究所が全国の16歳以上の男女を対象に実子した意識調査では、全対象者の23%が慣習的に占いをし、おみくじをひくと回答している。各年齢層の区分によれば、16~29歳の間で対象者の43%が占いを慣習的に実施しており、年齢を増すごとに減少傾向にある。石川(1989)では大学生の約77%が本や雑誌の占い記事を「よくみる」、「時々みる」と回答しており、田丸・今井(1989)でも、対象者となった高校生の約30%が占いを「よくする」、「時々する」と回答している。学生を対象にした両調査では、占いの必要性についても調査しており、大学生の約38%(石川、1989)、高校生の約46%(田丸・今井、1989)が占いは世の中や現代に必要であると回答していることが紹介されている。これらのことから、占い情報はなんらかの理由で人々に取得されており、さらに人々が占いを必要としていると考えられる。