著者
小野寺 進
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
no.11, pp.11-19, 2016-03-31

本稿は、中学から高校まで英語を学習してきた大学生で、上級者はもちろん、リスニングを苦手とする初級から中級レベルの英語学習者にとって、音読がリスニング向上に特に効果的であることと、その実践方法を紹介したい。英語音読はリーディングやスピーキングだけではなく、リスニングの能力向上にも有効である。そしてその実践方法が従来のネイティヴ・スピーカーの発音を復唱するのではなく、発音記号に基づいてすることで正しい発音を身につけることができ、さらに自力で学習ができるところを特徴としている。
著者
加藤 博之 松谷 秀哉 大沢 弘 中根 明夫
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
vol.9, pp.27-33, 2014-03-31

【背景と目的】医学部医学科1 年生に対し、入学後のモチベーションの低下を防ぎ、医師のプロフェッショナリズムを意識させながら、能動的な学習姿勢を涵養する教育方法は、未だ確立されたものがない。本学では1 年次に「臨床医学入門」の授業を行なって、この問題への対応に努めているが、その一環として行われたワークショップ授業と教育効果について報告する。【対象と方法】1 年生を対象とし、平成21年度より開講している科目「臨床医学入門」の一環として6 月にワークショップを実施した。学生を小グループに分け、まず附属病院内の七夕飾りとして、患者・家族が願い事を書いた短冊を見せた。その後「患者さんの願いと医師が果たすべき役割」をテーマとして、KJ 法を用いてプロダクトを作成し、全員の前で発表した。更に自由記載形式のアンケートで、ワークショップの感想を記載してもらった。【結果】プロダクトにまとめられた学生たちの意見は、患者・家族の願いは想像以上に多様であり、また医師や医療に対する期待は大きく、切実な思いを痛感したとするものが多かった。アンケートでは、患者・家族の期待に応えるための努力の必要性、高い目的を持ち真剣に学ぼうとしている仲間への尊敬、グループワーク自体が将来のチーム医療の練習であるなど、医師を目指す上での認識を新たにしているものが多かった。【結論】1 年生に患者・家族の医療に対する思いを情報として伝え、かつ同級生同士討論することは、医師の社会的役割を改めて認識させると同時に、学習に対する有力な動機付けとなりうる
著者
上松 一
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
no.1, pp.17-33, 2006-03-31

実践的英語運用能力の重要性が強調され、授業も改良され始めてはいるが、日本の英語教育現場では未だに「正確に読んで訳す」ことが主流である。教師も学習者も、多くがこの固定観念の呪縛から解放されず、このことが往々にして学習者を萎縮させ、彼らをして「英語はつまらない。」と言わしめ、英語で意思疎通ができない学習者を量産し続けている結果に繋がっている。この否定的状況を打破するためには、教師は知識の伝達者として英語を「教える」ことを止め、学習者が自立して学習に取り組めるよう支援し、手助けするfacilitator となる必要がある。その際、教師のみならず、学習者共々、英語をその本来の機能である意思疎通のための言語として尊重し、使用する必要がある。そうすることにより、学習者のみならず、教師自身も、英語の授業に喜びを見出し、自由を感じ、教師は自立した学習者の能力を信頼し、学習者は教師を信頼し、自らの能力を信頼する。これは教師にとっても、学習者にとっても、英語学習の喜びと自由の獲得へのチャレンジである。
著者
小野寺 進
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
vol.11, pp.11-19, 2016-03-31

本稿は、中学から高校まで英語を学習してきた大学生で、上級者はもちろん、リスニングを苦手とする初級から中級レベルの英語学習者にとって、音読がリスニング向上に特に効果的であることと、その実践方法を紹介したい。英語音読はリーディングやスピーキングだけではなく、リスニングの能力向上にも有効である。そしてその実践方法が従来のネイティヴ・スピーカーの発音を復唱するのではなく、発音記号に基づいてすることで正しい発音を身につけることができ、さらに自力で学習ができるところを特徴としている。
著者
加藤 博之 松谷 秀哉 小林 只 大沢 弘
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
no.11, pp.31-37, 2016-03-31

【背景と目的】医学部1 年生に対し、入学後のモチベーションの低下を防ぎ、能動的な学習姿勢を修得させ、さらに医師のプロフェッショナリズムを涵養する教育方法は、未だ確立されたものがあるとは言い難い。本学では1 年次に「臨床医学入門」の授業を通年で行なって、この問題への対応に努めており、本稿では本科目の全体像について報告する。【対象と方法】1 年次学生を対象とし、平成21年度より開講している科目「臨床医学入門」は毎週水曜の午後行われる。教育方法は講義、実習、演習(ワークショップ)など多岐にわたる。授業内容としては、(1)「こんな医師になりたい」をテーマに作文を書き、同級生全員の前で自己紹介を兼ねて発表、(2)「患者さんの願いと医師が果たすべき役割」をテーマとしたワークショップ、(3)「弘前大学医学部の歩みとこれから」の講義、(4)アーリーエクスポージャー、(5)地域医療の最前線の医師による講義「現場の医療を知ろう」、(6)コミュニケーション実習「模擬患者さんと話してみよう」、(7)地元について知る講義「津軽学」、(8)まとめのワークショップ、などから成っている。これらの教育内容はいずれも、Intrapersonal professionalism、Interpersonalprofessionalism、Public professionalismの涵養に通じるものである。これらは医師になる者の基本であり、特に本学学生の約半数を占める地域枠入学者のPublic professionalismの修得は重視されている。【結論】プロフェッショナリズムの涵養に焦点を当てた初年次教育は、長期的な効果が期待できる。
著者
小磯 重隆
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
vol.9, pp.43-51, 2014-03-31

若年者雇用に関し「入社3 年以内の離職率」が問題視される。若者が仕事を辞める原因は色々あるが、目の前の仕事を投げ出さず、しっかり自分の職業能力を高めることが大切である。高等学校進路指導の調査、キャリア論、実際の研修カリキュラム作成と実施状況を通して若者が身に付けるべき「仕事を楽しめる能力」について考察する。仕事を楽しむためには、その仕事が好きか嫌いかにかかわらず、第一に「仕事ができること」、第二に「仕事で自己実現ができること」、自己実現は「仕事で成長できること」と考えられる。これを2 つの能力と4 つの要素にまとめた。能力の育成は2 つのステップが望ましい。研修カリキュラムを検討し、実施する中で、「能動的に取り組む」ことが重要であること、「仕事を楽しめる能力」と「アクティブラーニング(能動的な学習)」には接点があることが分った。目の前の仕事を楽しむ能力育成のカリキュラムが必要である。
著者
中山 留美子
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
vol.8, pp.13-21, 2013-03-30

近年、大学教育において「アクティブ・ラーニング(能動的学修)」の推進が重要課題となっている。平成24年8 月には中央審議会答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」がまとめられ、この課題はより一層明確にされた。弘前大学では平成24年12月8 日に、この課題についてのFDワークショップ「能動的学修(アクティブ・ラーニング)の推進に向けて」が開催された。本稿は、このワークショップでの講演内容を基に、「アクティブ・ラーニング(能動的学修)」推進のためのPBL教育の導入について論じる。まず、「アクティブ・ラーニング(能動的学修)」とは何かということについて心理学的な視点から説明を行い、大学教育の現状について考察する。その上で、「アクティブ・ラーニング(能動的学修)」の推進に効果的な教育方法の1 つとして、PBL教育を紹介する。また、PBL教育を導入する際の困難や具体的な工夫について述べる。