著者
鈴木 愛理 仁平 政人 平井 吾門 山田 史生
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.117, pp.9-20, 2017-03-28

国語科で扱える「感性や情緒」、「ものの見方、感じ方、考え方」、「想像」、「心情」、「言語文化」には限度があり、広がりや深みが制限されてしまう。そこで、教科書に掲載することは不可能ではあるが人間の感情の本質に迫ることのできるテーマを扱った作品を示すことによって、教材発掘の一助としたい。今回は、「男色」を描いた作品として、現代文からは、山崎俊夫「夕化粧」、古文からは井原西鶴『男色大鑑』より「垣の中は松楓柳は腰付」、漢文からは『韓非子』からの一篇を提出する。
著者
鈴木 愛理 仁平 政人 平井 吾門 山田 史生
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.114, pp.25-34, 2015-10

平成20年1月の中央教育審議会答申を受けた現行の学習指導要領では、小学校・中学校で養い、豊かにしてきた「思考力や想像力」を、高等学校では「伸ばし」、さらに「心情を豊かに」することが求められている。また関心を深める対象が「国語」(小学校・中学校)から「言語文化」(高等学校)となっており、文化としての言語に対して広くかつ深い関心をもつことが高等学校における目標となっている。しかし「学校教育」「教科書」という制度・制約のもとでは、その不可能性からいくつかの限界が考えられる。国語科で扱える「感性や情緒」、「ものの見方、感じ方、考え方」、「想像」、「心情」、「言語文化」には限度があり、広がりや深みは制限されてしまう。そこで、「教科書」に掲載することは教育的配慮により不可能と思われるが、感情の本質に迫る作品を示すことで教材発掘の一助としたい。今回は、「嫉妬」を描いた作品として、現代文からは江戸川乱歩「白昼夢」、古文からは『今昔物語集』より「美濃国紀遠助値女霊遂死語」、漢文からは『聊齋志異』より「姚安」を提出する。
著者
仁平 政人
出版者
弘前大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、1920年代の日本のモダニズム文学における「東洋」や「伝統」に関する言説について、他の芸術や学問領域との関係を視野に入れて調査・分析を行った。モダニズムを「都市文化」や「西洋近代への志向」と結びつける通説に反して、日本のモダニズム文学においては、「東洋」や「伝統」を価値化する言説が数多く存在する。この研究では、文芸雑誌や同人誌などの幅広い調査を通して、こうした言説の実態を把握し、個々の事例について、その論理と同時代的な意義を検討した。
著者
森岡 卓司 仁平 政人 高橋 秀太郎 野口 哲也 山﨑 義光 高橋 由貴
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1945年1月~1946年8月までの東北六県県紙、及び全国紙二紙における文芸欄及び文化活動に関連する記事の悉皆調査を行い、東北地域における文化活動の特質を見通すための資料的基盤を形成した。帰郷を含む疎開において生じた具体的な接触を通じて派生した文学的活動の動態について地方雑誌を中心として調査分析を行った。その結果として、モダニズム文学と地域性との関わり、疎開文学者の地域的な活動の実態など種々の具体相が明らかになり、背景にあった地域主義とナショナリズムとの関係についても新たな知見を得た。