著者
北山 育子 今井 美和子 安田 智子 澤田 千晴
出版者
東北女子短期大学 研究活動推進委員会(紀要・年報部会)
雑誌
東北女子短期大学紀要 (ISSN:09142711)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-8, 2019-02-08

【目的】青森県に残されている特徴ある家庭料理について聞き書き調査をし、主菜を中心としたおかずの特徴を明らかにすることを目的に報告する。【方法】平成25年~27年に、県内を6地域に区分し、津軽、下北、南部地域の計25地区で調査した。調査対象者は41名で60~80歳代であった。さらに、平成29年~30年に4ヶ所において取材、料理撮影を行なった。【結果】本県は新鮮な魚介類が入手し易い環境であるため、豊富な魚介類中心の主菜があげられた。特徴としては、魚の乾物を利用した料理や、豊富にとれる米を利用した飯ずしなどが見られた。また、冬が長く厳しいため、魚介類をたっぷり使用した汁物が各地域であげられた。地域別では津軽地域で魚介類の加工品を利用した料理のほか、甘い味付けの茶碗蒸しなどが見られた。下北地域では鮮度の良い魚介類を利用した刺身や焼き物、南部地域で馬肉料理も見られた。
著者
北山 育子 真野 由紀子 澤田 千晴 下山 春香 安田 智子 今村 麻里子 花田 玲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】本県では大晦日に祝い膳を家族で囲み、年越し料理を食べて祝う風習があり、その行事食も特徴的なものが多い。また、お盆には法界折を墓前にお供えし、下げていただく習慣がある。近年、伝統的な行事食の伝承が少なくなっている傾向にあるが、本研究ではこの風習がどの程度残っているのか、更に青森県の年越しとお盆の行事食の特徴について明らかにすることを目的とした。【方法】調査は平成21,22年度の日本調理科学会特別研究として全国統一様式による調査票とともに配布した独自の調査用紙により、青森県在住の一般240名(50~60歳代57.1%)を対象に集合自記法及び留め置き法にて実施した。また、学生75名(19~20歳)には大晦日における料理、主な材料、写真撮影を課しレポートに記入させた。調査期間は平成21年12月から平成22年5月までとした。【結果】年取りの祝い膳については、認知度、喫食経験率がともに100%であった。喫食経験率の高いものから煮物、茶碗蒸し、数の子、なまこ、昆布巻き、なますであり、特徴的なものとして子和え72.1%、酢ダコ66.7%であった。また、市販品の利用も多く、カニ67.5%、握りずし63.3%、オードブル(各種料理の盛り合わせ)45.0%などが行事食として根付いている様子が伺えた。地域別にみると、津軽はけの汁66.9%やエビ・鯛の雲平59.3%、南部はいちご煮34.6%、南部・下北はくじら汁35.8%が食されていた。お盆の行事食については、喫食率の高いものから煮しめ、赤飯、ところてんであり、その他に季節のものである枝豆、とうもろこしが食べられていた。
著者
北山 育子 真野 由紀子 澤田 千晴 下山 春香 安田 智子 今村 麻里子 花田 玲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.70, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】本県では大晦日に祝い膳を家族で囲み、年越し料理を食べて祝う風習があり、その行事食も特徴的なものが多い。また、お盆には法界折を墓前にお供えし、下げていただく習慣がある。近年、伝統的な行事食の伝承が少なくなっている傾向にあるが、本研究ではこの風習がどの程度残っているのか、更に青森県の年越しとお盆の行事食の特徴について明らかにすることを目的とした。【方法】調査は平成21,22年度の日本調理科学会特別研究として全国統一様式による調査票とともに配布した独自の調査用紙により、青森県在住の一般240名(50~60歳代57.1%)を対象に集合自記法及び留め置き法にて実施した。また、学生75名(19~20歳)には大晦日における料理、主な材料、写真撮影を課しレポートに記入させた。調査期間は平成21年12月から平成22年5月までとした。【結果】年取りの祝い膳については、認知度、喫食経験率がともに100%であった。喫食経験率の高いものから煮物、茶碗蒸し、数の子、なまこ、昆布巻き、なますであり、特徴的なものとして子和え72.1%、酢ダコ66.7%であった。また、市販品の利用も多く、カニ67.5%、握りずし63.3%、オードブル(各種料理の盛り合わせ)45.0%などが行事食として根付いている様子が伺えた。地域別にみると、津軽はけの汁66.9%やエビ・鯛の雲平59.3%、南部はいちご煮34.6%、南部・下北はくじら汁35.8%が食されていた。お盆の行事食については、喫食率の高いものから煮しめ、赤飯、ところてんであり、その他に季節のものである枝豆、とうもろこしが食べられていた。
著者
北山 育子 真野 由紀子 中野 つえ子 安田 智子 今井 美和子 澤田 千晴 鎌倉 ミチ子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.155, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 本学会東北・北海道支部課題研究として、青森県における米の利用状況を明らかにするために、摂取状況や調理法、米に対する意識調査等をした。また、津軽、南部地域の米の伝統料理を調べ、地域性を検討した。<BR><B>【方法】</B><BR> 津軽地域(弘前市中心)287名、南部地域(八戸市中心)112名の調理担当者を対象に自記式でアンケート調査を行った。質問紙には選択肢法と自由記述形式を取り入れ、調査期間は平成18年12月から平成19年1月までとした。<BR><B>【結果】</B><BR> 米料理の嗜好は高いものから、白飯、炊き込みご飯、にぎり鮨、炒飯の順であった。摂取頻度は白飯、おにぎり、炒飯が多く、リゾット、押し寿司は少なかった。調理状況では、家で作ることが多い料理はおにぎり、炊き込みご飯であり、行事への利用は正月、慶祝時に餅、赤飯、ちらし寿司、仏事では団子、おはぎが多かった。米料理の特徴として、おにぎりの具材に筋子を使用している人が60%と多いことや、残った白飯の利用でご飯もちが作られていた。また、いなり寿司や赤飯の味つけには砂糖を多く使用し、特に赤飯では砂糖を加えるが91%であった。米の入手先は自家栽培やもらうが目立ち、青森県が米作の主要産地であることが伺えた。また、銘柄では県産米を食べている人が85%と多く、郷土に対する愛着が感じられた。米についての意識調査では米は日本人の主食として大切であるとの考えがほとんどであったが、今後はさらに米に対する関心が低くなり、消費量が減ると考えている人も多かった。また、地域独特の料理を見ると、米作中心の食文化の津軽地域ではごまご飯、干し餅、しとぎ餅等もち米の使用が多く、畑作中心の南部地域では豆しとぎやイカめし等であった。
著者
菅原 久美子 和泉 眞喜子 宮下 ひろみ 中村 恵子 會田 久仁子 村上 知子 菊地 和美 北山 育子 真野 由紀子 松本 祥子 大野 智子 高橋 秀子 齋藤 寛子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.129, 2010

【目的】米利用の地域性および米消費減少の要因を探るために、東北・北海道地方における米の摂取・調理状況に関する調査を実施し、前報<SUP>1)</SUP>では米の嗜好、摂取頻度、米に対する意識等について報告した。本研究では、米飯と代表的な米料理の摂取・調理状況について、東北・北海道地方における特徴と地域性について比較検討した。【方法】前報<SUP>1)</SUP>、同様である。<BR>【結果】三食とも米飯を摂取する割合は、全体で46.6%であるが、各県・道別にみると山形県71.4%、北海道29.9%となり、一日の米飯回数には地域差がみられた。山形県では黒米、宮城県では五穀米の使用が多い特徴がある。また無洗米の使用経験は各県道ともに多く、認知度や利便性等が広く浸透していることが窺われた。残りご飯は炒飯、雑炊としての利用が最多であるが、焼きおにぎりへの利用には地域差がみられた。おにぎりの具材はいずれも鮭、梅干しが上位であるが、たらこは秋田・青森県、こんぶは青森・岩手・宮城県、かつおぶしは北海道で多かった。炊き込みご飯、混ぜご飯、ちらし寿司を作る割合は各々88.4%、75.7%、62.6%であり、炊き込みご飯は秋田県、混ぜご飯は福島県、ちらし寿司は岩手県で作る割合が多く、いずれの米料理も、具の調理状況と盛りつけ時の具の飾り方には地域的特徴がみられた。具材を種類別にみると、炊き込みご飯では山形県のいも類(しらたき、こんにゃく)ときのこ類、北海道の藻類(ひじき、海苔)と魚介類(ほたて貝、ほっき貝)、混ぜご飯では宮城県の鮭の出現率が高く、地域の特産物が多く利用されている状況が窺われた。<SUP>1)</SUP>日本調理科学会平成21年度大会研究発表要旨集、p.47(2009)
著者
北山 育子 熊谷 貴子 真野 由紀子 中野 つえ子 澤田 千晴 下山 春香 安田 智子 今村 麻里子 花田 玲子 竹村 望
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.86, 2011

【目的】近年、行事食を家庭で作る機会が減り、伝統的な行事食の伝承が少なくなっている傾向にある。そこで、平成21,22年度の日本調理科学会特別研究として行事食の認知状況および摂取状況等の実態調査をすることにより、青森県の行事食の現状を把握するとともに、世代間による違いを明らかにすることを目的に研究した。【方法】調査は全国統一様式による調査票により、青森県在住の学生324名とその家族及び一般306名(50~60歳代56.1%)の計630名を対象に選択肢法と自記式でアンケート調査を実施した。調査期間は平成21年12月から平成22年5月までとした。【結果】学生の行事の認知については、重陽の節句(25.2%)、盂蘭盆(48.6%)、春祭り(44.2%)、秋祭り(22.9%)は低かったが、他はほとんどが90%以上であった。また。経験については正月・クリスマス(99.4%)、大みそか(98.7%)、節分(94.6%)が高く、重陽の節句(2.6%)、秋祭り(19.5%)は極端に低かった。喫食経験についてはクリスマスのケーキ、大みそかの年越しそば、土用のうなぎの蒲焼き、冬至のかぼちゃの煮物が非常に高く、行事に食される特徴ある料理が根付いている結果となった。一般と比べてみると、行事の認知・経験ともにほとんどが低い傾向にあるが、仏事の行事(盂蘭盆30.9%、秋分の日65.2%、春分の日66.9%)の経験が特に低かった。喫食経験においては一般に比べて正月の屠蘇、上巳の白酒、七夕の煮しめなどが低かった。一般の回答も同傾向であるが、その割合はほとんどの行事において高かった。
著者
北山 育子 真野 由紀子 中野 つえ子 安田 智子 今井 美和子 澤田 千晴 下山 春香 鎌倉 ミチ子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.162, 2008

<BR> 【目的】<BR> 前報では地域性のある米の伝統料理が以前ほど家庭や地域に伝わっていないことを報告した。その伝統料理の伝承をたやさないために、今回は津軽地域と南部地域に伝わる米料理の調理方法や伝承の仕方などを調査した。<BR> 【方法】<BR> 平成18年12月~平成19年1月に青森県在住の調理担当者399人(40~50才代が79.7%)を対象に選択肢法と自記式でアンケート調査を行った。その中から家庭や地域に伝わる米料理についてまとめた。<BR> 【結果】<BR> 津軽地域は津軽平野を有した米作地帯であり、豊富にとれるうるち米のほかに、もち米や米粉を使用した米料理が作られていた。一例としてはうるち米ともち米を使い、たっぷりの砂糖を入れた太巻き寿司、米粉と砂糖を練ってかまぼこ形にしたお菓子のうんぺいなどがあった。干し餅は寒さの厳しい冬に寒気を利用して切り餅を乾かして作られるこの地方独特のものである。また、沿岸地方ではコンブの若芽で包んだ若生(わかおい)おにぎりなどがあった。南部地域はヤマセのために稲作に厳しい土地柄で、昭和の中頃までは雑穀や粉食が多かった。そのため、米の不足を補うためにかぼちゃを加えて食されていたかぼちゃ粥が今も作られていた。また、ウニやアワビを使った炊き込みご飯や茹でた長芋とごはんを混ぜた味噌餅などがあった。カワラケツメイ(マメ科の一年草)を乾燥して作るお茶を使った茶粥は上北郡野辺地町独特の料理である。米料理の多くは母親、祖母、義母(姑)から教わっており、家庭における世代間で伝承されていた。その他に地元や近所の人など、地域の交流が伝統料理の伝承の場として大切になってきている。