著者
吉野 和芳
出版者
神奈川工科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本年度は,要介護高齢者や障害者の意図理解を目的として,色の異なるパッチを複数付けたカラーパッチ手袋を利用し,動作を伴うジェスチャ表現における手の形状,手指や腕の動きを検出する手法について検討した.具体的には,本年度の成果は次の2点にまとめることができる.1.カラーパッチ手袋を利用した腕の動き追跡と手指形状推定方法の検討ジェスチャ表現を行っている話者の上半身をビデオカメラで撮影した映像からカラーパッチ手袋上に張り付けたカラーパッチ部分を抽出し,それらの抽出されたカラーパッチ群の映像上での重心を求め,その重心の軌跡から腕の動きを検出することを行った.このとき,映像内では話者の上半身部分を撮影しているために抽出されるカラーパッチのサイズが小さくなり手指形状の推定が困難となることから,コンピュータによる制御が可能なアクティブカメラで話者の手指部分のみを前述の重心軌跡をもとに追跡撮影し,その映像から手指形状の推定を行った.2.連続映像からのジェスチャ単語分割とマカトンサインへの適用追跡撮影された話者の手指部分の連続映像からそれぞれ映像内のカラーパッチ群を抽出し,それらのカラーパッチの色の組合わせの遷移を求め,その遷移状態にしきい値を設定してジェスチャの単語を分割することを行った.さらに,両手分のカラーパッチ手袋を作成し,マカトンサインの推定を試みた.その結果,単語数の増加により推定率は低下するものの適用可能であると期待できる.
著者
陳 幸生
出版者
神奈川工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

情報システムの使用者の急激な増加と伴い、デジタル化した情報の爆発的な増加になっている。高精度の情報検索システムの開発が急務になってくる。特に、利用者の検索特徴を学習しながら検索精度を向上できる検索システムが望まれている。本研究では、本来人間同士が話すとき、"潜在的会話背景"を無意識に利用し、会話を進めると同様な原理で、利用者の検索意図に沿う高精度の検索システムの開発を目的として、研究開発を行った。利用者の検索意図の抽出方法、利用者検索意図に沿う検索方法、および、検索精度を向上するための検索意図学習方法を研究成果として得られて、その有効性を、実験を通して確認した。