1 0 0 0 OA 菖蒲考

著者
任 東権 Im Donggwon
出版者
筑波大学比較民俗研究会
雑誌
比較民俗研究 : for Asian folklore studies (ISSN:09157468)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-6, 1995-09-30
著者
今井 勇
出版者
筑波大学比較民俗研究会
雑誌
比較民俗研究 : for Asian folklore studies (ISSN:09157468)
巻号頁・発行日
no.18, pp.112-121, 2002-11-30

明治以降、日本は対外戦争での勝利により植民地を領有する国家となった。植民地の獲得は、日本に統治区域の一部でありながら異民族の居住する地域を支配しなけらばならないという問題を突きつけ、以後敗戦に至るまで、偽政者は異民族支配の問題に頭を悩ませ続けることになる。・・・
著者
伍 隆萓
出版者
筑波大学比較民俗研究会
雑誌
比較民俗研究 (ISSN:09157468)
巻号頁・発行日
no.18, pp.77-92, 2002-11

ケゼは中国四川省涼山イ族地区に流布している伝統的なユニークな民間伝承である。イ族語ではケゼ(kep zzep)は「口をよく動かすこと」の意味で、言葉を巧妙に使うことを指している。そのほか、いくつかのほぼ同義であるが、あまり広範には用いられていない呼称がある。それらは異なる角度からケゼの特徴を具現している。ケゼは通常婚礼と高年齢の老人の葬礼や、または、いくつかの祝日の集まりにおいて用いられている。これらの場合にはよく二つ以上の家支が集まっている。その時、主人の側と客人の側が自分の家支の中(もしくは、別の所)からケゼの達人を選んでお互いに競い合う。その間にもしある家支の競技者が言葉に詰った時、この家支のほかの人が交代することが許される。吟詠対抗時には両者は一つの題目をめぐり、一方が一首のケゼを吟詠すると他方も一首を吟詠する。このようにして勝負がつくまで行う、量が多く題目にふさわしい、言葉使いの優れている側が勝つ。ケゼの内容は大体二つの部分に分かれている。あいさつと主体部分である。あいさつの部分はまた婚礼のあいさつと葬礼のあいさつに分かれる。その内容とスタイルは場合によって異なる。けれども「ケゼを初めから唱吟する」のは同じである。主体部分の内容はさまざまで、天文、地理、歴史、哲学、風俗などがある。ケゼではしばしば連辞、誇張、引用、比喩などいろいろな修辞法を用い題について吟詠する。それで自分たちの弁舌、博学とを巧妙に顕示する。ケゼとアビ(諺)、マズ(長篇詩歌)、民謡などとは異なるものである。ケゼの句型は五、七、九など奇数語の句から構成されるものが主流を占める。二音節が一拍で発せられるが、最後の音節は必ず一拍である。吟詠する時リズムを伴うのであるが、しかし、通常の話しかたでないのはもちろん、歌唱をするのとも異なる。ケゼは一つの奇妙な民間伝承である。どうしてこれは涼山地区で産まれ発展して広く伝承されているのか。これの使用されている場合と、使用されている形式、修辞の特徴を考え併せると、以下のような大胆な推理が可能である。文化生態学的角度から見ると、ケゼと涼山イ族の家支文化との密接な関係が指摘できる。家支文化はケゼの存在や発展の土壌である。家支は涼山イ族社会の政治組織の一つで、漢族の「宗族」は多少異なる。その目立った特徴は、政治、経済、軍事の上で激しく対抗し、衝突と競争が伴う点である。家支成員の一切の財(生命を含む)は家支の強弱に連関している。家支の個々の成員は小さい時から家支は文化の薫陶を受け、彼らの言行、振舞には家支の印が深く刻印されている。また、それは家支の利益を直接・間接に代表している。家支の衝突や競争が止んだことはなかった。だが、涼山イ族の婚姻は家支内では禁じられている。したがって家支間は競争あり、連盟ありの複雑な関係になった。家支婚姻関係を結び、他の家支の脅威を防ぐために同盟した。けれども、これが親類両方の家支間の衝突を解消するわけではない。婚姻は一家と一家の間だけだが、家支の全体的な利益が全てに優先されていた。婚姻関係を結んで親類になった家支間では衝突を緩和させることが競争になった。両方が一緒に座って、酒を飲んで遊ぶ婚礼や葬礼では、わざくらべは重要な位置を占める。知識を尊び弁論を尊ぶ涼山イ族社会の中に、ケゼの話術を利用して弁舌と知識を競い合うのは、大衆的な活動になった。ケゼの吟詠対抗は、その表面から見ると言葉の技巧の試合だが、その活動の眞の目的は「家支を誇示し、祖先を称揚する」ことにある。これは運動選手のレベルに似ていて、国家体育以外のレベルの尺度のようになった。ケゼの吟詠対抗に勝つのは、ある家支の中に技巧者が出ることを意味し、家支が栄誉を受けたことを示す。ケゼは家支の政治、経済、軍事の対立、衝突、競争のほかに「文化」的対立、衝突、競争の有機的構成部分となっている。ある意味で言えばケゼは家支文化の産物である。ケゼの内容、形式、修辞の特徴はケゼの宗旨によって決められる。吟詠をし、歌わないのは、たくさんの内容を含み、聞くものは理解しやすいからである。リズムの選択における技巧は、ケゼの話術に効果をもたらし、変化を与えている。修辞上の強調と比喩の活用により言葉をより一層上手に操れるようになれる。名人の名言とアビの引用は、詠み手の記憶と博識とを示している。誇張はケゼのユーモアや、愉快さを一層きわだたせるものである。
著者
相見 昌吾
出版者
筑波大学比較民俗研究会
雑誌
比較民俗研究 : for Asian folklore studies
巻号頁・発行日
no.19, pp.141-152, 2003-11-30

近代以後の国家は、ウェストファリア条約(1648・三十年戦争の後の講和条約)の結果誕生したもので、それを主権国家と呼ぶ。(この概念が定着するまで、約百年はかかっている。)主権国家は当然歴史的過程において出現した国家であり、①国家主権、②領土を中心とする領域、③永続的に生活する住民、④統治する政府、という四つの構成要素からなる。・・・
著者
陳 立立
出版者
筑波大学比較民俗研究会
雑誌
比較民俗研究 (ISSN:09157468)
巻号頁・発行日
no.22, pp.206-219, 2008-03