- 著者
-
櫻井 良樹
- 出版者
- 麗沢大学
- 雑誌
- 奨励研究(A)
- 巻号頁・発行日
- 1994
本研究での基礎データとなる、関東地方7府県における、(1)1899年から1939年までに11回行われた府県会議員総選挙データの収集、および(2)1902年から1942年までに15回行われた衆議院総選挙データの収集は、95パーセント程度完了した。残りの5パーセントはデータの基礎となる公文書・新聞などが失われてしまったため、あらたな史料が発見されない限り収集は不可能と思われる。県別に述べると、群馬・埼玉・東京・神奈川については、当落選者の各郡単位ごとの得票数をほとんどを把握することができた。栃木については1904年衆議院総選挙での候補者の郡ごとの得票数が不明、千葉は明治時代における県会議員総選挙での落選者データおよび1912年衆議院総選挙での候補者の郡ごとの得票数が不明であり、茨城は明治時代の県会議員選者での落選者データおよび6回分の衆議院総選挙での候補者の郡ごとの得票数が不明である。各候補者の所属政党についても、異説は存在するが、ほぼつかむことができた。以上の作業は、各県の公文書館や県立図書館での調査によった。データのパソコンへの入力を現在続行中であり、これは収集したデータのほぼ半分まで進んでいる(茨城・栃木・群馬・千葉が完了)。しかし、まだ確認作業などにしばらく手間取ることと思われる。したがってデータを使用した分析については、これからの課題となる。ただし作業の過程で、県単位の分析よりも郡単位の分析が有効と思われること、所属政派については政友派・憲政民政派・第三勢力・中立その他の4カテゴリーに分けて行うのが適当であることに気がついた。また県会議員の所属政派が時代を下るにしたがって明瞭になっていく傾向があることを実感することができた。なお東京について、収集したデータをもとに4月1日に首都圏形成史研究会で報告する予定である。これから数年かけてデータベースの整理と分析を続ける予定である。