著者
小山 真人
出版者
Japan Society of Geoinformatics
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.85-92, 1994-06-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
4

地質学の専門家の「職人芸」を代替するシステム開発の第一歩として, 火山砕屑岩の成因推定に問題を限定した小規模な研究・教育支援システムVolcaniclastを試作・試用した.開発にはApple社のパーソナルコンピュータMacintoshと, その上で動くエキスパートシステム開発環境であるHyperpress社のIntelligent Developerをもちいた.Volcaniclastは, ルールベース, 事実 (ファクト) ベース, 推論エンジン, 対話型ユーザーインターフェースの4部分からなるルールベースシステムであり, 火山砕屑岩の成因推定にかんする知識を76のルールと11のファクトに格納している.典型的な野外地質データを入力した場合に, 正しい解答が最大の確信度をもって得られることを確認できた.このことから, すくなくともVolcaniclastは学部レベルの学生教育用として十分な利用価値がある.
著者
岩松 暉
出版者
Japan Society of Geoinformatics
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.74-75, 1999-06-10 (Released:2010-02-26)
参考文献数
1
被引用文献数
1 1
著者
石川 有三 松村 一男 横山 博文 松本 英照
出版者
Japan Society of Geoinformatics
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.10, pp.19-34, 1985-08-31 (Released:2010-02-26)
参考文献数
17
被引用文献数
21

SEIS-PC is a BASIC program system for interactive analyzing for seismicity with graphic display by a 16-bit personal computer ; NEC PC-9801 series. The system is composed of 6 programs as followed: 1) seismicity analysis, 2) making the random file of hypocenter catalogue, 3) adding hypocenters to the random file, 4) making map-file, 5) printing the parameters of hypocenters, and 6) shoeing the saved screen-image. The program of the seismicity analysis will help researchers to get figures of b-value, magnitude-time, number-time depth-time, space-time, cross-section, e.t.c..
著者
Mikhail Kanevsky Rafael Arutyunyan Leonid Bolshov Vasily Demyanov Michel Maignan
出版者
Japan Society of Geoinformatics
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1-2, pp.5-11, 1996-06-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
14
被引用文献数
25 44

The present work continues advanced spatial data analysis of surface contamination by radionuclides after severe nuclear accident on Chernobyl NPP. Feedforward neural networks are used for the Cs137 and Sr90 radionuclides prediction mapping and spatial estimations. Neural networks are used to model complex trends over the entire region. Residuals are analyzed with the help of geostatistical approach within the framework of NNRK (neural network residual kriging) model. Another set of data is used to validate obtained results.
著者
大前 久美子 塩野 清治 弘原海 清 升本 眞二
出版者
Japan Society of Geoinformatics
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.10, pp.145-168, 1985-08-31 (Released:2010-02-26)
参考文献数
5
被引用文献数
1

In this paper, we presented the principle and the BASIC program for the numerical estimation of the dip-strike of a bed at any point from dip-strike data obtained at irregularly spaced outcrops (observation points) . In order to represent numerically the attitude of the bed, we defined a new term of “a normal vector of abed” (an unit vector which is normal to the bedding plane and is oriented in the direction of the geologically upper side of the bed) . The dip-strike is calculated here from the weighted average of the normal vectors of beds at observation points. The presented program estimates dip-strikes at grid points and displayed them on the screen of a personal computer as the strike-line map.
著者
辻本 崇史 升田 健三 佐野 雅之 宮島 弘 正路 徹也
出版者
Japan Society of Geoinformatics
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.201-210, 1991-06-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
5

地質調査において, 当該地域に詳しくない調査者を支援する目的で, 当該地域に詳しい専門家の知識を組み込んだ地質ユニット判別のエキスパートシステムを試験的に開発した.システム開発のためのモデル地区とした鹿児島県西浦とその周辺 (Fig.1) は, 各種の火山岩が卓越し, 従来の調査で20以上のユニットに分けられている (Fig.2) .最初に, この地域の調査を担当した専門家から地質ユニット判別の基準を聴取し, 出現確率の概念 (Table 1) にもとづき, 知識ベースを組み立てた.判別のための情報は, 試験的システムであることを考慮して, 岩石の視覚的データに限定した.次に, 以前の調査で採取された岩石試料を室内で判別してシステムの欠点を抽出し, 若干改良した.その後, ラップトップコンピュータに組み込んだ本システムを使って, 当地に詳しくない地質専門家が現地 (Fig.3) でその有効性を評価した.また, このとき採取された試料を使って, 知識ベースを与えた専門家も室内でシステムの評価を行った.システムは, 判別効率の高い順に, 19の質問を出し, それに対する利用者からの回答に応じて, 可能性のある地質ユニットを順次絞り込む.この操作を繰り返し, 判別に影響を与える質問項目がなくなると, システムは最終結果を確率表現で出力する (Table 5) .現地試験の結果, システムが推定した第1候補の地質ユニットと専門家が区分したユニットが一致したのは, 20試料中20~30%しかなく, 推定結果の被検者間の差もかなりあった (Table 4) .この様な結果に対し, 多くの問題点が指摘され, それらは今後の課題として残された.しかし, システムの正当率が低かった割には, 現在の地質図を変更して, システムが推定した地質ユニットを採用した方がよい例も少数あった.以上の結果, 今回の試験的エキスパートシステムの構築によって, 記述的・定性的要素に富む地質調査の分野にも人工知能的手法の導入が可能であるとともに, 同様の性格を有する他の社会分野への波及効果も期待され, またシステムの構築過程で専門家の知識の整理に大いに役立つという副次的効果のあることが判明した.
著者
チューサムロング シッティチャイ ラガワン ベンガテッシュ ボゾン ニコラ
出版者
Japan Society of Geoinformatics
雑誌
情報地質 = Geological data processing (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.159-167, 2012-12-25
被引用文献数
1 4

ルート検索処理は緊急対応や緊急決定時に重要な役割を果たす.例えば,出来るだけ早く患者を救急車で病院へ搬送する場合である.本論文では目的地点での事故の位置情報や状況に従って,ルートの移動時間を計算する手法を示す.ここでは事故地点から一番近い病院までの最小移動時間と選択された病院のベッド数や患者の状態などを考慮したいくつかのパラメータが計算される.この手法は緊急ルート決定計画(ERDP)のための階層構造分析法AHP)であるpgRouting アルゴリズムにもとづいている.最初に重み付られた移動時間モデルは ERDP に影響する3 つの障害要素とともに最少の移動時間の設定がおこなわれる.その後,AHP は移動時間に関係するすべてのパラメータを考慮し,障害要素の優先的な重みを計算する.さらに,目的地の状況に従って重み付られた移動時間を検索する新しい改良されたルート検索アルゴリズムをpgRouting の中に実装した.AHP と pgRouting の統合により,道路と目的地の状況の両方を分析する効果的なツールとなった.このことは,自然災害後の避難計画にも有効的である.
著者
古宇田 亮一
出版者
Japan Society of Geoinformatics
雑誌
情報地質 = Geological data processing (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.131-136, 2012-09-15
被引用文献数
2

簡易にデスクトップ・インストールでき,オフラインでも直ちに利用可能なフリーのデスクトップ・アプリケーションについて,FOSS(Free and Open Source System)ベースを主としてその動向を略述する.FOSS であることによって,アプリケーション相互の連携とプラグインの形での取り込みや統合化が進み,ソースコード公開によって多数の専門家のボランティアが参加して,より使いやすくアルゴリズムの充実した体系に進歩している.このFOSSによるデスクトップ・アプリケーション環境はビッグデータの処理,クラウドコンピューティング環境で威力を発揮している.様々なFOSSデスクトップ・アプリケーションのうちから,地理情報システム,画像処理とリモートセンシング,3次元モデルと地球統計学の23種のアプリケーションを紹介する.2012年8月現在のバージョンとダウンロードサイトを表に示す.またビッグデータ化しつつあるフリーな地図・地質図・衛星画像のダウンロードサイトも紹介する.