著者
西山 順博 細見 美津子 松井 泰成 大西 延明 上坂 保恵 清水 満里子 千田 素子 松井 薫 坂口 和代 西山 直樹 西本 美和
出版者
Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.1119-1124, 2015

最後まで食べるためには、摂食嚥下支援を含む食支援が必要である。摂食嚥下支援には、栄養管理とリハビリテーションが重要であり、主に病院で医療職が中心の Nutrition Support Team(NST)で多職種が行うキュア要素が強い支援である。食支援は病院だけではなく、施設や在宅においても必要なものであり、医療職だけではなく、介護福祉職、ご近所さん、家族までもがチームとなって患者(利用者)をサポートできるケア要素が強い支援である。いずれの支援においても、栄養管理とリハビリテーションの両輪で最後まで食べることを支えていくことになる。十分な栄養管理をするためには、何らかの人工的水分・栄養補給法(Artificial Hydration and Nutrition;AHN)による栄養療法が必要となることがある。しかし、昨今、在宅療養でも AHNを望まないケースが増えてきている。このようなケースに対して、病院 NSTは介入を中止するのでなく、摂食嚥下支援を食支援へ上手く翻訳し、在宅 NSTへとバトンをいただきたい。また、AHNが栄養状態を改善することだけを目標とした延命治療ではなく、ある時は、緩和治療として必要栄養と水分を充足し、リハビリテーションのサポートを行い、ある時は、緩和ケアとして患者(利用者)や家族の Quality of Life(QOL)を向上するものであることを再認識していただきたい。高齢化を迎えている日本では、健康寿命を延伸することと、要介護状態(平均寿命-健康寿命)の QOLを向上させることが重要であり、それに向けた活動が評価される。在宅 NST、在宅療養サポートチーム(Home care Support Team;hST)の活動もそれを意識した取り組みを行い、成果を上げなければいけない。
著者
小山 珠美
出版者
Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.1351-1358, 2011

リハビリテーション栄養における看護の役割は、栄養状態の改善に留まることなく、生活者としてのADL拡大、食べる楽しみの拡充、QOL向上を実現できるような食支援を目指すことにある。栄養管理に加えて、口腔衛生、摂食・嚥下機能、呼吸ケア、ADL拡大、QOL向上などについて、チーム医療をより有機的に機能できるよう多職種と連携した質の高い看護を提供したい。本項では、経口摂取を主軸としたリハビリテーション栄養管理について紹介する。