著者
由良 晋也 戸塚 靖則 大井 一浩 馬渕 亜希子 由川 哲也 出山 文子 大廣 洋一 後藤田 章人 松樹 隆光 岡田 和樹 山口 泰彦 小松 孝雪 井上 農夫男
出版者
The Japanese Society for Temporomandibular Joint
雑誌
TMJ : journal of Japanese Society for Temporomandibular Joint : 日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.200-204, 2002-08-20

咬合力と関節内圧との相関関係を明らかにする目的で, クローズド・ロック症例と顎関節症状のないボランティアの咬合力と関節内圧を同時に測定したので報告する。<BR>対象は, クローズド・ロック症例4名4関節と顎関節症状のないボランティア4名4関節である。プレスケール50HタイプRを用いて咬合力を測定し, 動脈圧モニタリング用のトランスデューサーを用いて関節内圧を測定した。<BR>咬合力と関節内圧との間の相関係数は, クローズド・ロック症例とボランティアのいずれも0.7以上 (0.710~0.954), 決定係数は0.5以上 (0.504~0.910) であった。これらの結果から, 咬合力と関節内圧との関係は, 直線的な正の相関関係であることが示された。回帰係数は, 被験者により差のあることが示された (15.3~270.9)。<BR>関節内圧は咬合力の増加に伴って上昇することから, 強い噛みしめが顎関節に負荷を加える因子の一つであることが明らかとなった。
著者
川上 哲司 都築 正史 藤田 宏人 高山 賢一 大河内 則昌 馬場 雅渡 杉村 正仁
出版者
The Japanese Society for Temporomandibular Joint
雑誌
日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.554-561, 1997

上関節腔への顎関節鏡視下剥離授動術の臨床的評価を行った。手術に際して, 生体に侵襲性の少ないホルミウム・ヤグ (Holmium: YAG) レーザーを応用した。対象症例は, 保存療法に抵抗性の慢性クローズドロック症例または有痛性間欠的クローズドロック症例32症例・37関節に施行した。剥離授動・前外側関節包靱帯および関節形成に際して, ホルミウム・ヤグ (Holmium: YAG) レーザー (コヒーレント社製バーサパルス・セレクト22) およびパワーシェーバー (ストライカー社製マイクロデブリッダー・スモールジョイント・アースロプラスティーシステム) を使用した。これらに加え, われわれが考案した顎関節洗浄システムを併用し, より効果的で, 洗浄効果が増強された。すべての症例において, 最大開口度は, 40mm以上, 前方・側方運動量は, 10mm以上となり, 外科療法後の奏功率は, 96.9%であった。咀噛感も改善され, 術後の合併症もなかった。
著者
片岡 竜太 渡邊 友希 阿部 有吾 船登 雅彦 佐藤 仁 古屋 良一
出版者
The Japanese Society for Temporomandibular Joint
雑誌
TMJ : journal of Japanese Society for Temporomandibular Joint = 日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.150-155, 2009-08-20
参考文献数
9
被引用文献数
2

TCH(Teeth Contacting Habit)や日中クレンチングの為害性とその是正法の説明および咬合の変化が目的でない単純スプリントの装着が,TCH・日中クレンチングの意識化にどのような効果があるかアンケート調査を中心に検討した。<br> 対象症例はTCH・日中クレンチングを行っていることが疑われた患者95名で,初診時に自覚に関するアンケートを実施した。次に単純スプリントを日中のみ2週間装着後に,その自覚の有無と自覚した場面に関するアンケートを実施した。その結果,装着前に自覚がなかった患者(24%)のうち,全員が装着後TCH・日中クレンチングを自覚した。装着前に「たまに」自覚していた患者(21%)の85%,「しばしば」(31%)の87%,「いつも」(24%)の83%が新たな場面で自覚したと回答した。気づいた場面では,「考え事をしている時」(自覚した患者の51%),「電車に乗っている時」および「パソコンをしている時」(同28%),「書き物をしている時」(同23%)などが上位であった。<br> 日中クレンチングの意識化と是正法の指導を含めた総合的な治療の効果を検討するために,クローズドロックと臨床的に診断された42例について,初診時から2週間ごとに自力無痛最大開口域の変化を観察し,他施設における結果と比較した。自力無痛最大開口域は初診時と2週後および2週後と4週後に有意に増加し,12週まで増加した。<br> したがって,説明に加えて,スプリントを短期間日中装着することにより,TCH・日中クレンチングを意識化しやすくなったことから,是正に有効である可能性が示唆された。<br>