著者
後藤田 章人 山口 泰彦 岡田 和樹 松樹 隆光
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.93-102, 2007-02-28 (Released:2010-10-13)
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

本研究の目的は, 咀嚼筋活動や顎位など管楽器演奏時の顎機能の特徴を明らかにし, 管楽器演奏により顎関節や咀嚼筋へかかる負荷を検討することである, 被験者として金管楽器奏者18名, 木管楽器奏者12名を対象に管楽器演奏時の咬筋, 側頭筋, 口輪筋, 顎二腹筋の筋電図測定, および下顎切歯点の移動距離の測定を行い, 以下の結果を得た.1.口輪筋, 顎二腹筋の筋活動量は比較的大きかったが, 咬筋, 側頭筋の活動量は最大咬みしめ時に比較すると極めて小さかった.2.音量の大小で各筋の活動量に明らかな変化はなかった.3.金管群と木管群の楽器群間では咬筋, 側頭筋, 顎二腹筋の筋活動量に明らかな差はなかったが, 金管群の方が咬筋活動量の個人間のばらつきが大きかった,4.下顎切歯点については, 木管群の方が下方への移動量が大きかったが, 移動方向の個人間のばらつきは金管群の方が大きかった.以上より, 一般的な楽器演奏では閉口筋の緊張は僅かであり, 顎関節への圧縮方向の力の負荷は少ない可能性が示唆されたが, 個人差の影響についての今後の検討が必要と考えられた.
著者
箕輪 和行 岡田 和樹
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.256-263, 2016-12-15 (Released:2016-12-29)
参考文献数
7
被引用文献数
3

エナメル上皮腫は一般的に顎骨内に発生するため,視診,触診による評価は難しく,画像診断の役割は大きい。エナメル上皮腫の診療ガイドラインにおいてエナメル上皮腫の診断に有用な画像検査は,検討の結果,口内法エックス線撮影,パノラマエックス線撮影,CTおよびMRIの全てとなったが,各診断モダリティーの特性を活かした診断を行うことが重要となる。エナメル上皮腫との鑑別が画像上,特に必要な疾患は,頻度を考慮し,角化囊胞性歯原性腫瘍,含歯性囊胞,歯根囊胞となった。エナメル上皮腫の画像所見と予後に関する報告は少ないが,単房性のエナメル上皮腫に比べ多房性のエナメル上皮腫の再発率が高いとの報告がみられ,また,良性エナメル上皮腫から悪性転化が存在する場合は予後不良であった。転移性(悪性)エナメル上皮腫は,臨床的に転移を呈するが,良性のエナメル上皮腫と同様の画像所見を示した。エナメル上皮癌は,境界不明瞭,骨破壊および周囲組織への浸潤など悪性を示唆する画像所見を呈した。
著者
由良 晋也 戸塚 靖則 大井 一浩 馬渕 亜希子 由川 哲也 出山 文子 大廣 洋一 後藤田 章人 松樹 隆光 岡田 和樹 山口 泰彦 小松 孝雪 井上 農夫男
出版者
The Japanese Society for Temporomandibular Joint
雑誌
TMJ : journal of Japanese Society for Temporomandibular Joint : 日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.200-204, 2002-08-20

咬合力と関節内圧との相関関係を明らかにする目的で, クローズド・ロック症例と顎関節症状のないボランティアの咬合力と関節内圧を同時に測定したので報告する。<BR>対象は, クローズド・ロック症例4名4関節と顎関節症状のないボランティア4名4関節である。プレスケール50HタイプRを用いて咬合力を測定し, 動脈圧モニタリング用のトランスデューサーを用いて関節内圧を測定した。<BR>咬合力と関節内圧との間の相関係数は, クローズド・ロック症例とボランティアのいずれも0.7以上 (0.710~0.954), 決定係数は0.5以上 (0.504~0.910) であった。これらの結果から, 咬合力と関節内圧との関係は, 直線的な正の相関関係であることが示された。回帰係数は, 被験者により差のあることが示された (15.3~270.9)。<BR>関節内圧は咬合力の増加に伴って上昇することから, 強い噛みしめが顎関節に負荷を加える因子の一つであることが明らかとなった。
著者
三上 紗季 山口 泰彦 岡田 和樹 後藤田 章人 松田 慎平
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.121-130, 2009-02-28
参考文献数
32
被引用文献数
3

目的:歯科臨床における簡便で精度の高い睡眠時ブラキシズム(SB)の評価法の実現を目指し,我々はこれまで超小型コードレス筋電図計測システム,BMSを開発し,日中覚醒時の顎運動における測定精度や夜間睡眠時を想定した体動や装置への接触の影響の検討等を行ってきた.本研究ではBMSのSB評価装置としての実用化を図るため,実際に自宅における夜間睡眠時の咀嚼筋の活動を支障なく測定できるかどうかの検証を行った.方法:対象はブラキサー群9名,非ブラキサー群9名で,被験者の自宅にて2日間,右咬筋を対象に測定を行った.2日目のデータを解析の対象とし,最大咬みしめの20%以上の大きさで,0.25秒以上持続するバーストを抽出し,両被験者間で比較した.入眠と起床の確認には,小型睡眠センサー,アクティグラフ(A・M・I社製)を用いた.結果:すべての被験者で,自宅での装置の設定,操作が可能であり,記録されたデータでは筋活動波形の認識,解析が可能であった.稀に混入した通信エラーと考えられるスパイク状のノイズは,データ解析時に識別,除去が可能であった.ブラキサー群と非ブラキサー群の筋活動の比較では,睡眠1時間あたりのバースト数,バースト時間,バースト積分値において,ブラキサー群は非ブラキサー群と比較して有意に大きな値を示し,それぞれ前者は後者の6.3倍,3.2倍,2.5倍だった.バースト毎の持続時間の平均値は,ブラキサー群は非ブラキサー群と比較して有意に小さな値を示した.バーストRMS値,睡眠時間については両群間で有意差は認められなかった.結論:BMSを用いた測定では,ブラキサー群と非ブラキサー群の自宅における夜間睡眠時の咬筋筋活動波形の認識,解析が可能なことが示され,BMSは睡眠時の臨床的な咬筋筋活動モニターとして実用可能な装置と考えられた.
著者
後藤田 章人 山口 泰彦 岡田 和樹 松樹 隆光
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.93-102, 2007-02-28
被引用文献数
2

本研究の目的は,咀嚼筋活動や顎位など管楽器演奏時の顎機能の特徴を明らかにし,管楽器演奏により顎関節や咀嚼筋へかかる負荷を検討することである.被験者として金管楽器奏者18名,木管楽器奏者12名を対象に管楽器演奏時の咬筋,側頭筋,口輪筋,顎二腹筋の筋電図測定,および下顎切歯点の移動距離の測定を行い,以下の結果を得た.1.口輪筋,顎二腹筋の筋活動量は比較的大きかったが,咬筋,側頭筋の活動量は最大咬みしめ時に比較すると極めて小さかった.2.音量の大小で各筋の活動量に明らかな変化はなかった.3.金管群と木管群の楽器群間では咬筋,側頭筋,顎二腹筋の筋活動量に明らかな差はなかったが,金管群の方が咬筋活動量の個人間のばらつきが大きかった.4.下顎切歯点については,木管群の方が下方への移動量が大きかったが,移動方向の個人間のばらつきは金管群の方が大きかった.以上より,一般的な楽器演奏では閉口筋の緊張は僅かであり,顎関節への圧縮方向の力の負荷は少ない可能性が示唆されたが,個人差の影響についての今後の検討が必要と考えられた.
著者
山本 智史 山口 泰彦 小松 孝雪 会田 英紀 岡田 和樹 大畑 昇
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.31-40, 2001-11-20
被引用文献数
2

これまで短期間で測定日を変え下顎限界運動のばらつきを調べた報告はほとんどない.そこで今回, 健常有歯顎者の短期間における経日的な下顎限界運動範囲の再現性についての検討を行った.また, 下顎運動の再現性に対し影響を及ぼす因子の一つである顎運動測定器の生体基準点の再現性についても検討した.〈方法〉被験者は26歳から31歳までの健常有歯顎者5名である.被験運動は, 矢状面内限界運動, および前頭面内限界運動とし, それぞれの運動を1日5回ずつ連続5日間計測して限界運動範囲の前後幅と左右幅を求めた.顎運動測定には, ナソヘキサグラフJM-1000(小野測器社製)を用いた.測定座標系の基準点は右オルビタと左右ポリオンとし, 運動解析点は下顎切歯点とした.各基準点および切歯点の経日的再現性を維持するため, ナソヘキサグラフの標点用ポインターの先端が適合するディンプル状の常温重合レジン製標点を作製した.基準点の標点は咬合器用フェイスボウを用いて固定した.標点の位置の再現性を確認するため, 咬合器上および被験者1名の日内, および被験者5名の日間の標点座標値を比較した. <結果>1.切歯点座標値の日間の標準偏差値は0.48〜1.49mm, 基準平面に関する標点間距離の日間の標準偏差値は0.31〜1.55mmと各被験者とも大きかった.しかし, 咬合器上の切歯点では0.19〜0.42mm, 被験者1名の切歯点の日内では0.23〜0.38mmと比較的小さかった.そのため, 標点座標の日間のばらつきには, 測定日毎の各標点の再装着時における位置のずれの影響が大きいものと考えられた. 2.下顎限界運動範囲の前後幅と左右幅に関して日内の施行順位間に有意差がみられたのは1名の左右幅のみであった.一方, 日間に関しては1名の前後幅, 4名の左右幅において有意差がみられた.日内と日間の標準偏差を比較すると, 日内より日間の方が大きい傾向を示した.しかし, その値は日間でも0.12〜0.62mmであり, 各標点に関する日間の標準偏差と比較して小さかった. 以上より, 健常有歯顎者における下顎限界運動範囲の前後幅, 左右幅には, 短期間の日間で変動が認められる場合があることが示された.しかし, 同時に, その変動は比較的小さいことも明らかになった.
著者
岡田 和樹 山口 泰彦 小松 孝雪 松樹 隆光 後藤田 章人 三好 貴之
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.107-115, 2005-02-28

本研究では, マイオモニター^[○!R]に温罨法同様の咀嚼筋血流改善効果があるか否かを明らかにすることを目的に, 温罨法およびマイオモニター施行前後の咬筋組織内ヘモグロビン量, 酸素飽和度(StO_2)の変動を測定し, 比較検討した.被験者は顎口腔系に異常が認められない健常者で, 温罨法群10名, マイオモニター群10名とした.ヘモグロビン量とStO_2の測定には近赤外分光血流計を用いた.測定項目は総ヘモグロビン量(THb), オキシヘモグロビン量(OXHb), デオキシヘモグロビン量(deOXHb), 酸素飽和度(StO_2)とし, 同時に脈拍(HR)も測定した.温罨法群では, 温め後THb, OXHb, StO_2に有意な増加が認められたのに対し, マイオモニター群ではTHb, OXHb, deOXHb, StO_2, HRすべてにおいてマイオモニター後に有意な増加は認められなかった.また, 温罨法群とマイオモニター群の群間比較でも, 温罨法群のTHb, OXHb, StO_2が, マイオモニター群よりも有意に大きな増加率を示した.一方, deOXHbとHRに有意差は認められなかった.以上から, 咬筋の血流改善の効果に関しては, マイオモニターより温罨法の方が有効であると考えられた.