著者
高橋 雅弘 越前 宏俊
出版者
日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
雑誌
アプライド・セラピューティクス (ISSN:18844278)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.13-27, 2020 (Released:2020-09-03)
参考文献数
26

薬剤師による症例報告は、薬物治療の適切性をEBMの考え方に基づいて評価することで、適正な薬物治療の実践へ貢献することが求められる。薬剤師による患者ケアプロセスはCollect、Assess、Plan、Implement、Follow-upの5ステップから成るが、症例報告ではこれらのうちCollect、Assess、Planのステップが取り上げられる。薬剤師の症例報告では、個々の患者が有する医学的問題点と薬物に関連した問題点を特定するための患者背景情報の収集が最初のステップになり、引き続いて、収集した情報に基づいて患者が抱える問題点のリストアップと介入の優先順位づけが行われる。その後、優先度の高い問題点から順に、薬学的な視点に基づく詳細な評価を行う。薬剤師による問題点の評価は、薬物の適応症(indication)、有効性(effectiveness)、安全性(safety)、アドヒアランス(adherence)の4つの側面(IESA)から段階的に実施することが推奨されている。問題点の評価が完了したら、評価内容に基づいて患者に最も推奨する薬物治療計画を立案する。薬剤師は、薬物治療の専門家としての科学的な考察を十分に発揮した症例報告を通じて、目前の患者にとって最適な薬物治療を提案し、そして実践することが求められる。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (19 users, 23 posts, 82 favorites)

収集済み URL リスト