著者
渡邊 芳之
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.79-97, 2018-03-30 (Released:2018-09-14)
参考文献数
122
被引用文献数
2 5

2016年7月から2017年6月にかけての日本におけるパーソナリティ研究の現状と動向を分析するために,120件の学会誌論文と375件の学会発表をパーソナリティ関連研究として抽出して分類し,いくつかの量的な側面から調べた。日本におけるパーソナリティ関連研究は,この期間に主要な学会誌8誌に掲載された論文のうち48.0%を,2つの学会における発表のうち47.2%を占めている。1年間の研究協力者の総数は222,986名にのぼり,132個の新しい個人差測定尺度や項目が開発されている。こうした研究にはSEMに代表される統計的因果分析の技法が広く用いられている。研究テーマの動向や,パーソナリティ関連研究のこうした動向がパーソナリティ心理学や「個人差科学」に対して持つ含意についても検討した。

言及状況

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ラヂオ先生が教育心理学年報に書いていた「パーソナリティのリアリティは、パーソナリティの認知の側にある」という趣旨の話が、長らく理解できていなかったが、それはつまり、「何をパーソナリティとみなすかについては、その時代の要請がある」ということなのかもしれない https://t.co/HGMvH76TkJ
#ラヂオで心理学論 https://t.co/HGMvH76TkJ
(続き)その花束はなんのために作られて誰のなんのイベントで贈られて、どのように受け取られたのかを知りたい」 (渡邊;2018、p91) 私(たち)は、自らの分厚い生を確認したいのであって、全体的な傾向を知りたいわけではないはずです。(16) https://t.co/7vYwOahN59 #まつやま演劇人サミット
@nihsenimakan これにも少し書いてあります。 https://t.co/3AlhQS8Fiz
【論文】渡邊(2018) パーソナリティ研究の現状と動向/教心年報。パーソナリティ心理学の研究がどうあるべきかについて考えさせられた。「性格の良し悪し」の問題、研究が「個人差科学」ばかり、「認知」こそ追求すべきリアリティではないか等々、勉強になる指摘が多かった。https://t.co/GhwpZ19m6K https://t.co/zYJPj7PG11
@shigejisoga 教心年報にも書いたのですが,「モデルの中にパーソナリティ変数が入ってる研究」というのはものすごく多くて,心研でも教心研でも掲載論文の約半分にパーソナリティ変数が含まれています。しかし「パーソナリティ心理学者」はいない。 https://t.co/3AlhQS8Fiz

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