著者
田崎 晴明
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.797-804, 2008-10-05 (Released:2017-08-04)
参考文献数
17

マクロな系の平衡状態に関する普遍的な体系である熱力学と統計力学を非平衡定常系にまで拡張するという(まったく未解決の)課題について,問題意識と現状を解説する.特に,過剰熱の概念,「ゆらぎの定理」,確率分布の表現,そして,拡張クラウジウス関係式といった,非平衡定常系の物理学の鍵になりうる結果について,基本的なアイディアと意義を述べる.この解説では,非平衡物理の「業界用語」を持ちださず,古典力学と平衡統計力学の初歩的な知識だけを使って,ミクロな時間反転対称性がいかにマクロな非平衡物理と関わりうるかを描き出したい.

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現代的なゆらぐ熱力学と川崎・ガントンやスバレフの議論の繋がりは田崎先生の以下の記事がとても分かりやすかったです!
面白そう https://t.co/DfQRkr9uKU
非平衡定常系の熱力学と統計力学にむけて (<特集>線形応答理論から50年――非線形・非平衡の物理学)田崎晴明 クラウジウスの関係式を非平衡定常系にも適応できるように拡張した関係式があるらしい。 https://t.co/Jl8ho5617e
非平衡定常系の熱力学と統計力学にむけて(田崎) https://t.co/8b63ea0dZe
定常状態熱力学には、「過剰熱」みたいな概念を持ち出す議論があることは耳学問的に知っている。 https://t.co/5c2i6bfemA 「タービンの熱力学」も、工学的な素朴な取り扱いは(厳密には)間違いで、こういう難しい取り扱いをしないといけないのだろうか?

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編集者: 永月杏
2022-11-03 12:43:53 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

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