著者
天羽 優子 菊池 誠 田崎 晴明
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.342-346, 2011-05-05 (Released:2019-10-22)
参考文献数
4

「『ありがとう』などの『よい言葉』を見せたり『美しい音楽』を聴かせたりした水は凍らせたとき美しい結晶を作るが,『ばかやろう』などの『悪い言葉』を見せた水は凍らせても結晶を作れない」というのが「水からの伝言」という物語である.この単なるファンタジー(ないしはオカルト)が,時に「科学的」とさえみなされ,学校教育の現場にまで浸透している.ここでは,予備知識のない読者を想定し,「水からの伝言」をめぐる状況を紹介し,関連する問題点や論点を簡潔に整理したい.

言及状況

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日本物理学会誌は宝の山。耳が痛い話。https://t.co/Hv6j28mNNp 科学をわかりやすく伝えるのはいい。だが、「不思議」や「すごい」で終わりにしてはいけない。それでは「水からの伝言」でも同じではないか。科学には筋道と論理がある。愚直な努力こそ最良の道。
@QMusashi @UNCzzff3bBXuxOU https://t.co/EFxt9VKcWB Queueさんの貼ってるリンクの説明、丁寧で子供にもわかりやすいので良い。 ググってたら物理学者にボコボコにされてるの見て笑っちゃった。
この「水の件」に関しては2011年に日本物理「学会」できちんと議論されました https://t.co/zADVmCaJgi https://t.co/JoTroQbXoJ そう考えると、昨今の宮沢孝幸、内海聡らが流している生物学的/医学的デマに関しては、学会が「スルーし過ぎ」だと思いますね https://t.co/moUMkxCYVW
「(中略)しかし、これほど自明なナンセンスが教育関係者に易々と受け入れられてしまった事実は重く捉えるべきだとわれわれは考える。この程度のナンセンスすら「科学的」と見られる社会で、本当に「もっと重要な問題」をきちんと科学的に議論できるのだろうか。」 https://t.co/qFg5aGe5ZP
「水からの伝言」をめぐって(天羽優子、菊池誠、田崎晴明)日本物理学会誌66巻(2011)5号より抜粋 https://t.co/qFg5aGe5ZP 「『科学と社会の関係なら、そんなくだらないことよりももっと重要な問題がある』という指摘もあった。(中略)しかし、これほど自明なナンセンスが教育関係者に  続く 1/2
ニセ科学で有名な『水からの伝言』は教育現場に一部浸透し、物理学会誌に批判文が載る事態にまで発展しました 誤った進化論を教えられたら、それを正せるのは大学で生物学を学んだ場合だけです。なぜ「間違っている」とプロから指摘されているのに持論を押し通そうとするのか https://t.co/fPs3WCcogQ https://t.co/cJK20KqgNe

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