著者
祝 広孝 大田 和雄 大城 広幸 猿渡 勇 森川 綾子 大通 恵美 関 誠 古野 信宏 近藤 真喜子 坂田 光弘 中野 朋子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
巻号頁・発行日
pp.C3P1391, 2009 (Released:2009-04-25)

【はじめに】骨格筋に対する圧迫刺激の効果については多くの報告がなされているが、刺激の入力部位について感覚器官や骨格筋の構造から検討した報告は少ない.今回、我々は筋の感覚器官であるゴルジ腱器官(以下、GTO)の構造とそのインパルス発射機序に注目し、GTOが分布するとされる筋腱移行部(以下、MTJ)に選択的に圧迫を加えることでIb抑制による筋緊張緩和が得られるのではないかと考えた.そこで腓腹筋内側頭を対象筋とし、MTJが筋表層に存在していると思われる近位内側部と表層にMTJが存在しないと思われる遠位筋腹部にそれぞれ選択的に圧迫を加え、圧迫前後の足関節自動背屈角度(以下、背屈角度)変化及び筋硬度変化について比較検討した.【対象】本研究の趣旨を十分に説明し、同意を得ることができた健常成人30名60肢(男性15名、女性15名、平均年齢30.4±5.4歳)を対象とした.【方法】対象者を起始部から筋腹下端までの距離の近位1/4の内側部に圧迫を加えるMTJ刺激群(以下、MTJ群)10名、遠位1/4の高さで筋腹の中央部に圧迫を加える筋腹刺激群(以下、MB群)10名、圧迫を加えないコントロール群(以下、C群)10名の3群に分け、腹臥位膝40°屈曲位にて測定機能付自力運動訓練装置(アイソフォースGT-300:OG技研)を用い、3kg-4kgの範囲で5秒間圧迫を加えた.圧迫前後で仰臥位にて股・膝関節90°屈曲位(以下、膝屈曲位)と膝関節完全伸展位(以下、膝伸展位)で背屈角度を1°単位で測定.筋硬度についても圧迫前後に腹臥位にて筋腹の遠位1/3、内外側幅の内側1/3の部位で筋硬度計(NEUTONE:TRY-ALL社)を用いて測定した.C群については圧迫時の肢位にて圧迫時間相当の休憩を入れ、休憩前後に同様の測定を行った.統計処理としては、各群の圧迫(C群:休憩)前後の測定値の比較にt検定を用い、C群と各刺激群の変化値の比較にはWilcoxonの順位和検定を用いた.【結果】背屈角度:圧迫前後の背屈角度の比較において、C群では膝屈曲位、膝伸展位共に角度に変化は認められなかったが、MTJ群では膝屈曲位、膝伸展位共に有意な角度増加(p<0.01)を認めた.MB群においては膝屈曲位では変化は認められなかったが膝伸展位では角度の減少(p<0.05)が認められた.C群と各刺激群の変化値の比較では膝伸展位でMTJ群に有意な角度増加(p<0.01)が、MB群では角度減少(p<0.01)が確認された.筋硬度:MTJ群で圧迫後に筋硬度の低下(p<0.05)を認めたが、C群やMB群の変化値との間に有意な差は認められなかった.【考察】GTOへの刺激入力を目的としたMTJに対する選択的圧迫の有効性が確認され、またMTJへの圧迫は軽い圧で短時間の刺激により即時的効果が期待できることが確認できた.しかしMTJ群とMB群の結果の違いからも分かるように圧迫部位によって効果に違いが生じるため、十分な効果を得る為には骨格筋の構造に関する正しい知識と正確な触察技術が必要であろう.

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