著者
遠藤 芳徳 林 浩嗣 井川 正道 山村 修 大倉 清孝 濱野 忠則
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.142-145, 2020 (Released:2020-02-27)
参考文献数
9
被引用文献数
2 4

症例は22歳の女性である.持続する嘔気を繰り返したため入院した.入院後,失神発作を繰り返し,発作性洞停止を認めた.体外ペーシング挿入後,失神発作は消失したが,回転性めまい,眼振,複視,四肢異常感覚が新たに出現した.MRIでは延髄背側に異常信号をみとめた.血清中抗アクアポリン4抗体が陽性であり,視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder; NMOSD)と診断確定した.ステロイドパルス療法を2クール施行したところ,症状は改善した.以上より今回の洞停止はNMOSDの最後野症候群の一つの症状と考えられた.発作性洞停止の原因としてNMOSDの可能性も考慮すべきである.

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持続する嘔気・繰り返す失神で発症した視神経脊髄炎関連疾患の1例 https://t.co/XWXHhMZHIc 中脳水道から延髄背内側の範囲を中心とした脳幹部はNMOSDに特徴的な病変部位でありNMOSD 患者の約40%に延髄病変がみとめられる。延髄背側の最後野はNMOSDに特徴的な病変部位であり難治性吃逆や嘔吐をきたす。
@kuramochijin https://t.co/XWXHhMHyu4 持続する嘔気・繰り返す失神で発症した視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder)の1例 遠藤 芳徳, 林 浩嗣, 井川 正道, 山村 修, 大倉 清孝, 濱野 忠則

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