著者
滑川 将気 荻根沢 真也 木村 暁夫 下畑 享良 小宅 睦郎 藤田 信也
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001713, (Released:2022-04-26)
参考文献数
15

症例は,61歳男性.2年前と6か月前に全身けいれん発作を起こし,5ヶ月前からの歩行障害が悪化して入院した.認知機能低下,下肢痙性と体幹失調,自律神経障害を認めた.髄液細胞増多があり,MRIで大脳半卵円中心の点状造影効果を伴う白質病変と長大な頸髄病変を認めた.ステロイドパルス療法で軽快したが2ヶ月後に再燃し,新たに頸髄側索の病変を認めた.髄液の抗glial fibrillary acidic protein(GFAP)α抗体が陽性で,自己免疫性GFAPアストロサイトパチー(GFAP-A)と診断した.GFAP-Aは,亜急性で予後良好の経過が多いとされるが,慢性難治性の経過をたどった.

言及状況

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臨床病型は,髄膜脳炎 56%,髄膜脳脊髄炎 41%,脊髄炎 3%の順に多く10),GFAP-A では頭痛や発熱などの髄膜炎症状、認知機能低下やてんかん発作などの脳炎症状,脊髄炎による運動麻痺と病変の部位によって様々な症状で発症し,自律神経障害の合併もしばしば認める2).発症様式と https://t.co/3utYuMwoeQ

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