- 著者
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三上 岳彦
- 出版者
- 公益社団法人 日本地理学会
- 雑誌
- E-journal GEO (ISSN:18808107)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, no.2, pp.79-88, 2006 (Released:2010-06-02)
- 参考文献数
- 24
- 被引用文献数
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日本の都市ヒートアイランド研究が大きく進展している.東京都心部の年平均気温は過去100年間に3°Cも上昇しており,地球平均気温の5倍の上昇率である.都市高温化の要因としては,第一に人工廃熱の増加による都市大気の直接加熱,第二に都市構造の変化,すなわち地表面の人工化や高層建造物の増加,緑地・水面の減少が挙げられる.最近行われた一連のプロジェクト研究から,都市内大規模緑地のクールアイランド効果や東京湾海風に及ぼす高層ビル群の影響,さらに高密度観測網による都内気温分布の日変化と海風による移流効果などが解明されつつある.今後のヒートアイランド問題の解明には,気候学をはじめ,気象学,建築・土木工学,医学,生態学など多くの分野における学際的な研究が不可欠である.