著者
大石 太郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.12-29, 2017 (Released:2017-06-09)
参考文献数
19

2017年に連邦結成150周年を迎えるカナダは,英語とフランス語を公用語とする二言語国家として知られるが,その実態は複雑であり,必ずしも正確に理解されていない.そこで本稿では,言語景観と二言語話者人口に注目し,カナダの二言語主義の現状と課題を現地調査と国勢調査に基づいて解説する.カナダでは1969年に制定された公用語法により,連邦政府の施設は二言語で表記され,二言語でサービスを提供することになっている.一方で,各州の行政はそれぞれの法令に基づいている.したがって,同じ場所に立地していても,連邦と州の施設では用いられている言語が異なる場合がある.また,英語圏の大都市において二言語話者人口の割合が非都市地域よりもやや高い傾向がみられるものの,ケベック州をはじめとするフランス語を母語とする人口の割合が高い地域において,二言語話者人口の割合が高い傾向はあまり変わっていない.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (5 users, 5 posts, 1 favorites)

【E-journal GEO掲載論文】大石太郎 2017.カナダにおける二言語主義の現状と課題,E-journal GEO 12(1),12-29.https://t.co/TIa40B0MdM
大石太郎(2017).カナダにおける二言語主義の現状と課題 E-journal GEO,12(1),12-29.[PDF]https://t.co/Yq45quK3pz

収集済み URL リスト