著者
福井 一喜
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.221-246, 2023 (Released:2023-07-14)
参考文献数
98

「観光立国」や「観光まちづくり」の担い手は誰なのだろうか.本稿は観光政策論と英語圏のジェンダーの経済地理学の観点から,観光産業の雇用の地域的パターンを解明した.雇用者の半分以上を所得149万円以下の女性の非正規雇用者が占める県は36を数え,市区町村の2/3以上において非正規雇用者の女性率は70%を超える.正規雇用者は主に男性だが,相対的に低賃金な若手の高卒者が多く,非正規の男性や高齢者も増加している.先進諸国のサービス経済化や中間層の退潮,空間の価値上昇政策,それらを背景に地域へ経済的自立を求める観光政策の政治の論理,それを内面化する観光産業の資本の論理,経済活性化を優先する地域活性化論等によって,既存のジェンダー不平等が温存されている.観光産業の主な担い手は低賃金の非正規雇用者であり,それは女性,若年者,高齢者,非大卒者等,各地域の労働市場で高賃金を得にくい周縁化された人々である.

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記録遡ってたら昨年の今頃はこの論文のためにジェンダー研究を片っ端から読んでレビューする作業してた 観光産業のジェンダー不平等――年齢・学歴・雇用形態からみた宿泊業・飲食サービス業における雇用の地域的パターンとそのジェンダー論および観光政策論からみた力学―― https://t.co/MuhC1rs5lL
「観光の経済効果の地域格差」のアクセス数が多いのは卒論需要だと理解してるけど、「観光産業のジェンダー不平等」のアクセス数はジャーナルの上位にはなっておらず、この問題をガチで論じてる人は少ないんだなと実感される みんなで散々ジェンダージェンダー言ってるのに https://t.co/MuhC1rs5lL
この論文でそんなような話してますそういえば 観光産業のジェンダー不平等――年齢・学歴・雇用形態からみた宿泊業・飲食サービス業における雇用の地域的パターンとそのジェンダー論および観光政策論からみた力学―― https://t.co/XBJfaat1B0 https://t.co/ukoPXaXwPF
新着記事を登載しました。E-journal GEO [ タイトル ] 観光産業のジェンダー不平等――年齢・学歴・雇用形態からみた宿泊業・飲食サービス業における雇用の地域的パターンとそのジェンダー論および観光政策論からみた力学―― [ 著者 ] 福井 一喜 https://t.co/2KquVtokXf

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