著者
宇根 寛 熊木 洋太
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.86-94, 2007 (Released:2010-06-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

高解像度衛星画像は,数10cmの解像度で地表の詳細な画像を提供するが,高価であることから,地形学的研究には十分利用されてこなかった.パキスタン北部地震発生直後の2005年10月12日,ムザファラバード周辺のイコノス衛星画像がインターネットで無償公開された.さらにその直後,衛星画像の無償閲覧サイトとして注目されているグーグルアースが,被災地域のクイックバード衛星画像の提供を開始した.著者らはこれらの画像を用いて地形変化の判読を行い,撓曲崖,河床の離水,地表地震断層などの断層変位に伴う地形を見いだすことができた.これらの画像は簡易なオルソ化が行われており,実体視ができないことは変位地形の判読に不利であったが,地震前後の画像の比較や,SPOT5などのやや解像度の低い衛星画像の実体視判読などにより,判読を補うことができた.また,日本地理学会災害対応グループのメーリングリストによるオープンな意見交換も変位地形の認定に有益であった.

言及状況

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【E-journal GEO掲載論文】宇根 寛・熊木洋太 2007.パキスタン北部地震による地表断層変位の”リモートセンシング”,E-journal GEO 2: 86-94.http://t.co/MJHSCM4WkC

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