- 著者
-
鈴木 晃志郎
- 出版者
- 公益社団法人 日本地理学会
- 雑誌
- E-journal GEO (ISSN:18808107)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.1, pp.73-83, 2014-03-31 (Released:2014-04-23)
- 参考文献数
- 71
急速に多様化が進むジオパークは,国や地域によってさまざまな性格を帯びつつある.ジオパークの活動を地質学者や自治体関係者が牽引してきた日本では,その応用的な側面の検討に際して,教育的効果が強調され,地域振興との関わりでジオツーリズムが論じられることが多かった.しかし,火山地帯であり地震大国である日本においてジオパークのあり方を考える上で避けて通れないのは,地殻変動によってもたらされるネガティブな事象(災害)との関わりではなかろうか.本論文は,近年観光学で注目されているダークツーリズムの概念を紹介しつつ,ジオパークにおけるダークツーリズムの適用可能性について考察することを目的とする.