著者
袴塚 高志
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.978-982, 2014 (Released:2016-09-30)
参考文献数
7

2011年1月のアンチスタックスに引き続き,2014年4月にプレフェミンが一般用医薬品として製造販売の承認を受けた.前者は赤ブドウ(Vitis venefera L.)の葉,後者はチェストツリー(Vitex agnus-castus L.)の果実に由来する西洋ハーブ医薬品である.アンチスタックスは軽度の静脈還流障害による諸症状の改善,特に足のむくみを改善する内服薬として既に販売されており,プレフェミンが月経前症候群を緩和する内服薬として流通する日も遠くないものと思われる.ドラッグストア等の店頭で健康食品として販売されている西洋ハーブの中には,欧州で一般用医薬品として扱われているものもあり,医薬品としての規制を受けずに流通することに関して,かねてより安全性や品質保証の面で問題視されてきた.医薬品の承認はあくまでも個別の案件であり,西洋ハーブ全般が一般用医薬品に移行するという話ではないが,海外の生薬製剤を我が国の一般用医薬品として承認申請する道筋が明示され,実際の承認例も出てきたことは,天然物医薬品に係る薬事行政ならびに産業振興の上で画期的な出来事と言える.本稿では,医薬品,食品および健康食品の関連性について触れつつ,西洋ハーブ医薬品という新しいカテゴリーが誕生するまでの経緯を概説したい.

言及状況

外部データベース (DOI)

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ハーブを使った医薬品は品質管理等が難しい面もあるのですが、厚労省は西洋ハーブ医薬品という枠を設けて海外の臨床試験なども流用でき比較的簡単に医薬品申請できる道筋を示しています。 また厚労省はなるべく医薬品としてコントロールすべきと名言しています。 https://t.co/w563qP1EKR
2について 以前から国も、次から次へと流入する海外のハーブを健康食品として流通させることを問題視しています。 すでにハーブ医薬品という枠をもうけ海外臨床試験データを用いて比較的簡単に医薬品認可する体制があります。 ここに大麻が入る可能性があるのです。 https://t.co/w563qP16Vj
@yLv21EYhXm5WkJm @DrYumekuiBaku ハーブにも医薬品ありますよね https://t.co/YczEYvpPE3

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