- 著者
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堀 和明
廣内 大助
- 出版者
- 公益社団法人 日本地理学会
- 雑誌
- 地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
- 巻号頁・発行日
- vol.84, no.4, pp.358-368, 2011-07-01 (Released:2015-09-28)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
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2004年7月の福井豪雨は足羽川の谷底低地に大きな被害をもたらした.特に人工堤防の決壊は, 多くの地点に破堤堆積物を残した.本研究では現地調査や空中写真判読にもとづき, 福井市高田町における破堤堆積物の特徴を記述した.また, 低地上の過去の農地配列や低地を構成する地層をもとに, この地域で生じてきた洪水の性質も検討した.破堤堆積物の特徴は以下の通りである.(1)人工堤防や河床から供給された可能性の高い巨礫が破堤箇所前面にローブ状あるいは舌状に広がる.(2)砂質堆積物は洪水流の流下方向に200 m以上にわたって分布する.層厚は最大80 cm程度であり, 下流側への層厚の減少は顕著ではない.(3)砂質堆積物が分布する南側では乾裂のみられる泥質堆積物が地表面付近を覆う.また, 耕地整理前の農地配列は今回と同様の洪水が繰り返しこの低地で生じてきたことを示唆する.