著者
矢ケ﨑 典隆
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.83-101, 2015-03-01 (Released:2019-10-05)
参考文献数
64
被引用文献数
1

地誌学は地域を説明するための考察の枠組を提示し,地域スケールに応じた地域像を描くことを目的とする.今日,地誌学を再評価・再構築することが急務である.そこでアメリカ地誌の新しい方法を提示するために,自然と人間,起源と伝播,地域と景観,時間と変化に着目した.コロンブスの到来以降,アメリカ先住民の世界は大きく改変され,北東部には北西ヨーロッパ系小農経済文化地域,南東部にはプランテーション経済文化地域,南西部にはイベリア系牧畜経済文化地域が形成された.19世紀後半に北西ヨーロッパ系小農経済文化地域が全土に拡大した.そして20世紀に入って1960年代末までにアメリカ的生活・生産様式が確立し,1970年代以降,アメリカ型多民族社会・分断社会が形成された.21世紀のアメリカの地域像を描くためには,「世界の博物館アメリカ」という考察の枠組が有効である.アメリカ地誌には探検と発見の可能性に満ちた魅力的なフロンティアが存在する.

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なお四層構造を基礎にして1970 年代以降移民の出身地に変化が生じ、新しいアメリカ型多民族社会・分断社会が形成されていったとされる。こうして「地誌学」の視点から留学・駐在先を眺めてみると風景がまた違って見えるかもしれない。 矢ケ﨑典隆「探検と発見のアメリカ地誌」 https://t.co/ALNkkfCm6k https://t.co/YbAWJSZDkA

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