著者
廣内 大助
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.119-141, 2003-03-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
36
被引用文献数
1 1

北陸地方南部に位置する福井平野には,平野東縁山麓部の活断層と,1948年の福井地震の震源断層とされる伏在断層(福井地震断層)が分布する.本研究では,これら活断層の活動と,福井平野の地形形成との関係を考察した.福井平野東縁地域には, M1~M3の3面の海成段丘面と, Mf・Lf1~Lf3面の4面の河成段丘面が分布する.平野東縁に分布する活断層は段丘面に累積的な変位を与え,その上下平均変位速度は約0.1~0.3m/ky程度である.これら活断層の変位によって,平野東縁での,山地と丘陵,丘陵と平野の分化が進んだ.左横ずれ活断層であると考えられる福井地震断層は,沖積低地に分布するため,変位地形は不明瞭である.しかし,断層に沿った地下の基盤高度は断層を挟んで北東と南西で高く,北西と南東で低いという特徴がある.また,地震断層北部東側ではM2面は分布高度が高く,北北西方向へ傾動している.これらの特徴は,左横ずれに伴う上下変位が累積していることを示しており,計算から求められた福井地震時の上下変位量分布とも矛盾しない.

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【地理学評論掲載論文】廣内大助 2003.福井平野東縁地域の活構造と地形発達,地理学評論76,119-141.https://t.co/74bNBzhnXA

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