著者
高野 誠二
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.661-687, 2005-10-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
54
被引用文献数
3 2

本稿では,日本の都市中心部における特徴である,古くからの街道沿いに発達した旧中心商店街と,鉄道開業後に発達した駅周辺地区との商業の競合関係に着目しつつ,各種の都市整備事業を通じた旧中心商店街の活性化をめぐる,都市内の政治権力構造を考察した.八王子市において大きな政治力を発揮してきたのは,歴史の古い旧中心商店街である甲州街道沿いの地区を地盤とする,「旦那衆」と呼ばれる実力者達である.彼らは商工会議所や商店会連合会等の中枢を占めたり,政治家や市の幹部等との豊富な人脈を駆使したりして,旧中心商店街の開発が優先的に行われるように積極的に活動した.また,自地区以外での事業には消極的な態度をとり,旧中心商店街の活性化を重視する政策の形成に大きく寄与してきた,しかし,大型店が駅周辺地区や郊外を志向するようになる中で,旧中心商店街の商業は衰退を続け,そこでの都市開発事業の多くは採算の目途が立たずに実現できなかった.また,旧中心商店街以外の地区や,旦那衆以外の商業者の反対意見により,八王子市における旧中心商店街優先政策は再検討を迫られつつある.

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地理学評論にその辺の経緯載っててワロタ(読んだことなかった) https://t.co/OovomxUo8M
@Latte_art01 ソースは以下から https://t.co/Kybz6O9pPn
以下の資料パッと見る限り再開発が後手に回ったせいは長年地元団体等の影響が強かったのはやっぱありそう https://t.co/Kybz6O9pPn (PDF)
@Latte_art2020 産業交流拠点も建設中でしたねそう言えば。昨年11月に久々に訪れた際も、マルベリーブリッジが京八側に延びていたことですら感動したぐらいでしたので。 こんな資料が出てきました。文中に出てくる旦那衆というのがまちづくりに反対していた勢力でしょう。 ※注 pdf27ページ https://t.co/iwIcVndLCt
【地理学評論掲載論文】高野誠二 2005.都市整備事業の実施をめぐる都市内の政治権力構造-八王子市における旧中心商店街の活性化,地理学評論78,661-687.https://t.co/SBtMNsvqKs

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