著者
吉田 雄介
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.8, pp.491-513, 2005-07-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
43

本稿では,イラン・ヤズド州メイボド地域における1980年代以降のズィールー(綿絨毯)の衰退過程を,現役生産者32名への聞取り調査とメイボド・ズィールー生産者協同組合所蔵の資料調査に基いて検討した.生産量・生産者数ともに激減する中で,ズィールーの生産構造は,少数の主力生産者と多数の兼業者という二極分化が生じた.近年のズィールー生産の特徴の一つは,専業の生産者数がきわめて少なくなったということであり,もう一つの特徴は多くの生産者は日雇労働などと兼業でズィールーを生産するという多就業化である.このように,メイボド地域のズィールー生産は,本業から多就業の一選択肢へと位置づけが変化した.それは,ズィールー生産は単体では存在し得ず,多就業の一環として存続し得るにすぎなくなったことを意味する.そして,こうした多就業的なズィールー生産を可能としているのは,外的な要因としては,イランの経済構造の変化による臨時・日雇の就労機会の増加であり,内的な要因としては,ズィールー製織の柔軟性と産地の集積の利益としての組合の存在にある.

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

Twitter (5 users, 7 posts, 3 favorites)

1 1 https://t.co/1o3dYE8xtz
【地理学評論掲載論文】吉田雄介 2005.イランにおける手織物生産の存続と多就業化の関係-ヤズド州メイボド地域のズィールー製織業を事例として,地理学評論78,491-513.https://t.co/OhD3qQPZiV

収集済み URL リスト