著者
斎藤 丈士
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.427-441, 2007-06-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
13
被引用文献数
2 4 5

本研究では, 東北地方の大規模稲作地域である山形県鶴岡市藤島地域における大規模稲作農業の経営展開とその特性を明らかにした. 分析の結果, 対象地域において経営耕地面積15haを超える大規模稲作農家は, 主に農地賃貸借によって現模拡大を図り, 生産費の低下に努めてきた. 農地の貸し手が大規模稲作農家に農地を貸与した理由をみると, 労働力不足や高齢化といったものが多数を占め, このような層の農地の受け皿として大規模稲作農家が機能してきた. 大規模稲作農家は規模拡大を進めることで生産コストの低減に努めてきたものの, 米価の下落により農業粗収益はそれ以上のペースで低下した. そのため, 各農家は出荷する米に付加価値を付けるとともに, 野菜生産や有機・特別栽培米の生産に取り組み, 収益の確保に努めている.

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【地理学評論掲載論文】斎藤丈士 2007.鶴岡市藤島地域における大規模稲作経営の展開と特性,地理学評論80,427-441.https://t.co/49WykoJPfi

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