著者
森田 匡俊
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.179-196, 2008-05-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
18
被引用文献数
1

私たちが道路ネットワークデータを取り扱うとき, 高速道路や国道などの主要道路のみを整備したもの, 主要道路に県道や市道を含めて整備したものといった具合に, 同じ地域でも詳しさの違うデータがある場合が多い. 詳しさが違うと, 道路ネットワークの総延長距離が異なったり, 道路ネットワーク上の任意の2点間の最短経路が異なったりする. 本稿では, このネットワークの詳しさを詳細度と呼び, その違いが空間分析に与える影響を考えた. 具体的には, 空間分析法の中でもネットワークK関数法を取り上げ, ネットワークの詳細度によってその分析結果が異なってしまう問題を検討した. まず, ネットワークK関数値の振る舞いを放射ネットワークについてモデル化して, ネットワークの詳細度との関係を検討した. 次いで, 実際の道路ネットワークを利用して, ネットワークK関数値の振る舞いとネットワークの詳細度との関係を明らかにした. その結果, ネットワークK関数値にはネットワークの詳細度によらない下限値のあることがわかり, その下限値を利用すればネットワークの詳細度によらず分析結果を一意に解釈できる場合のあることがわかった.

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【地理学評論掲載論文】森田匡俊 2008.ネットワークK関数法におけるネットワークの詳細度の問題に関する研究,地理学評論81,179-196.http://t.co/6UYl76d6EX

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