著者
東 悠斗 矢原 徹一
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1934, (Released:2021-04-20)
参考文献数
42

屋久島における天然林(照葉樹林とスギ林)の林床における希少植物の減少に対する、シカの採食と林床の光環境の影響を分離して検出するため、林床の光環境の異なる屋久島東部の 4地点(林冠開放度 1.4 -8.2%)に 2006年に設置された希少植物を対象とする植生保護柵内外に、 2 m×2 mの小区画をそれぞれ 8-16個設定し、 2006年と 2016年に種ごとの植被面積と種数を調査した。 Generalized Linear Mixed Model(GLMM)を用いた尤度比検定の結果によれば、シカの採食を排除した保護柵内では、光環境の違いに関係なく全種の植被率が増加し、また被度が 1%以上の種の数が増加した。しかし絶滅危惧植物の加入・消失は種によって異なった。今後は絶滅危惧植物を含む保護柵の効果について、個々の種の生態特性を明示的に扱ったより多くの地点での研究が必要である。

言及状況

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屋久島における絶滅危惧植物保護柵内外での植被率・種数・種組成の変化:防鹿柵による保護と光環境の影響の評価。東・矢原 2021 (日本語論文、オープンアクセス) https://t.co/NUd8CNrjrl 柵を設置した2006年と、2016年に、柵内外の植物の種ごとの植被面積を調査したとのことです。#論文紹介

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