- 著者
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西平 重喜
- 出版者
- 日本選挙学会
- 雑誌
- 選挙研究 (ISSN:09123512)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.1, pp.30-43, 2015 (Released:2018-03-23)
ドイツの無条件降伏は日本より3カ月ほど前であったが,戦後初めての西ドイツの選挙は日本の1947年4月より2年以上遅れた1949年8月であった。その選挙の準備は占領下で始められたが,選挙の方法について,ドイツの各政党の意見が一致しなかったし,占領国の主張も食い違っていた。したがって統一的,恒久的な選挙法を制定することが困難で,各州を重視する選挙の方法を採用せざるを得ず,並立制が使われた。1957年の第3回選挙からは併用制が続いているが,各党への議席の配分法は4回変更されている。特に2013年の配分法は画期的な点もあるが,ドイツの正式報告書の煩雑な計算を簡単にできる方法についても紹介する。また配分方法がどんな結果をもたらすか比較検討する。