著者
伊藤 康弘 宮内 昭
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.259-263, 2015 (Released:2016-03-04)
参考文献数
14

近日中にアメリカ甲状腺学会(ATA)の甲状腺結節と甲状腺分化癌取り扱いガイドラインの最新版が出版されるが,今回はいくつか大きな変更点がある。その一つが甲状腺微小乳頭癌の取り扱いである。今までは細胞診で乳頭癌と診断された場合は当然のように手術が施行されていたが,今回は1センチ以下の微小乳頭癌でリンパ節転移や局所進展のないものは,たとえ画像上癌を疑っても細胞診による診断をしないことを推奨し,またたとえ癌と診断がついたとしてもすぐに手術を行うのではなく,経過観察(active surveillance)を取り扱いの選択肢として採択した。これは日本から論文の形で発信された内容を受け入れたものであり,実に画期的な変化である。ただ,もちろんATAガイドラインの内容をすべて日本の実地医療に適用するのがよいかどうかについては異論もあるかも知れない。本稿では微小乳頭癌の経過観察について,ATAガイドラインと日本の診療の合致点および差異について述べる。

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