著者
鈴木 眞一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.17-22, 2022 (Released:2022-05-24)
参考文献数
18

2011年の東日本大震災に伴う原発事故後行われた甲状腺検診によって発見された甲状腺癌について臨床病理組織学的所見について解説した。平均年齢は17.8歳で性差は1:1.8であった。術前リンパ節転移陽性例は22.4%にもかかわらず術後は77.6%と増加しその大半が気管周囲リンパ節であった。術後の被膜外浸潤例が39%と高率であった。M1は2.4%であった。術式は全摘8.8%,片葉切除91.2%でありリンパ節郭清は全例に施行された。病理組織は98.4%が乳頭癌でその大半が古典型であった。また遺伝子変異では69%がBRAF変異で,再配列異常は少なかった。RET/PTC3や充実型亜型は少なくチェルノブイリとは全く異なる結果であった。以上より,福島での甲状腺癌はチェルノブイリとは大きく異なる一方,性差以外では通常の臨床で扱われていた小児甲状腺癌と差は認めなかった。

言及状況

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@tamura7787 @kikumaco 日本甲状腺学会 抄録のみ読んでいただければ結構です. https://t.co/ZjMNWqPT5y https://t.co/WwRj0HObwt このような「不安」をくみ上げた医療を続けることにより. https://t.co/erl7qXkX1H こうなっています. もちろん「データ収集」は,今後の医療発展のために重要です.
@uchida_kawasaki なるほど。 https://t.co/p7kYudopo1 https://t.co/QjTYfuSZgd
@egasuasniffumc1 @mayoi089 手術が不要だった証拠が提出できないようなので、手術が必要だった証拠を提出して『過剰診断ではなかった』と結論付けたいと思います。 https://t.co/Kla1kRfYhs
緑川論文https://t.co/7ULF71mzeUの図4左で、大きな甲状腺がんの多くが増殖しないか退縮していることと、鈴木総説で術後診断の多くで微細な転移が認められたことhttps://t.co/vAkkWibFtzは矛盾しているわけではない。これらの結果は、微細な転移が悪性度を示すマーカーではないことを示している。
で、結局「無症状」なんだよね!ガイドラインに沿ったというけど、各種診断は「スナップショット」でしかない。その後の発症の有無を予測するには、この検査群の「発見率」と約8万人の非検査群の「発症率」を比較するしかない。それはあなた方の使命です。 https://t.co/vAkkWibFtz
@hseino1 ●福島で発見された小児若年者甲状腺癌について 鈴木眞一(福島県立医科大学医学部甲状腺内分泌学講座) 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌/39 巻 (2022) 1 号 https://t.co/xK9S2hM5iS
●福島で発見された小児若年者甲状腺癌について  鈴木眞一(福島県立医科大学医学部甲状腺内分泌学講座)  日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 / 39巻(2022) 1号 https://t.co/38sRHAu5b4
鈴木真一さんが今年こんなのを書いておりました。 https://t.co/fYkFeB7oOV 表 1 . 福島での検診後発見された小児若年者甲状腺癌の遺伝子変異について ETV6/NTRK3 SQSTM1/NTRK3 TPR/NTRAK1 それぞれありますね。これくらいなら問題ないということか? 本文では触れてないですねえ。
先ほどの日本医科大 3.甲状腺未分化癌 ( anaplastic thyroid carcinoma) 甲状腺未分化癌が診断されると,現在のところいかなる治療にも抵抗し,診断から平均 6 ヵ月で死亡する これは重篤だ。福島では低分化がんの人はひとりいるようですが https://t.co/hzYcbDeUb4 いや3人か 3例が低分化癌

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