著者
川西 諭 田村 輝之
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.87-104, 2019-04-16 (Released:2019-04-15)
参考文献数
51

本稿では,グリット(Grit)とマインドセット(Mindset)という2つの心理学概念に関する研究を紹介し,労働生産性向上をめぐる議論への含意,および行動経済学研究への応用の可能性について議論する.グリットとは,長期的な目標達成に向かって「やり抜く力」であり,本稿で紹介するマインドセット研究は「固定思考」と「成長思考」という2つの対極をなす思考を問題とする.既存のグリット研究とマインドセット研究はいずれも私たちの能力のうち,努力によって後天的に獲得される資質が常識的に考えられているよりも重要であること,そして資質の獲得が私たちの心理や思考によって強く影響を受けることを指摘している.これらの研究に照らすと,労働生産性を低水準にしている原因として,人々の考え方が,先天的資質を重視する固定思考に偏ってしまっている認知バイアスが浮かび上がる.

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自らの仕事が自分のためになっているというだけ では,努力を継続することはできず,他の誰かのために なっていると思えること,すなわち利他的な目的がなけれ ば努力を継続できないとダックワース教授は述べている https://t.co/ritpJ0eRLI
J-STAGE Articles - グリット研究とマインドセット研究の行動経済学的な含意―労働生産性向上の議論への新しい視点― https://t.co/Zh3VJpmnI9 子育てにも応用したい論文 成長思考のマインドセット… https://t.co/FDZp9xCBak

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