著者
酒井 昇 酒井 博史 神谷 正男 秋田 久美 白峰 克彦
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.178-183, 2003-05-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
13

口蓋扁桃アニサキス症の1例と原因幼虫の病理を報告した。症例は35歳女性でボラ生食後咽頭異物感を来し、右口蓋扁桃中央の陰窩に寄生虫が迷入しているのが認められた。摘出した虫体は病理学的にPseudoterranova decipiensの第4期幼虫と判明した。アニサキス症で胃や腸などの消化管以外の異所寄生の報告は時にみられるが、耳鼻咽喉科領域でも口腔、咽頭の症例が少数報告されている。扁桃のアニサキス症はこれまで4例報告されているのみで、いずれも原因幼虫はアニサキスであり、記載不明の1例を除いた3例に急性扁桃炎が伴っていた。本症例では原因幼虫が口蓋扁桃で最初の報告となるPseudoterranova decipiensであり、また扁桃の炎症症状が全くみられなかったが、その理由としてシュードテラノーバ幼虫は感染力が弱く組織侵入が少ないことが推測された。

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女性の扁桃から生きた寄生虫、刺身食べて侵入か 日本 https://t.co/or9dxAfssH 3.8㎝。 アニサキスは扁桃に入り込むこともあるんだ。 https://t.co/lkt0hfK9Uz
過去にもシュードテラノーバが扁桃に居たという論文はあるのね。https://t.co/Zi9309JzBv

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