著者
品田 瑞穂
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.99-110, 2009 (Released:2009-03-26)
参考文献数
36
被引用文献数
1 3

近年の実験研究では,社会的交換において第三者の立場にある参加者が,参加者自身にとって罰行動が何の利益ももたらさない場合であっても,他者を搾取した非協力者を罰するためにすすんでコストを支払うことが示されている。本研究では,このような第三者による罰行動は,協力的な社会的交換を維持するための二次の協力行動であると考える。重要な社会的交換が外集団成員よりも内集団成員との間で行われることを所与とすると,第三者による罰行動は内集団成員に対してより向けられやすいと考えられる。Shinada, Yamagishi, & Ohmura(2004)はこの予測を検討する実験を行い,協力者は内集団の非協力者をより強く罰するが,非協力者は逆に外集団成員を強く罰するという結果を示している。本研究は,Shinadaらの実験における外集団への罰行動を,相手との利益の差を最大化するための競争的行動と解釈し,罰しても相手との利得差が拡大しない実験で,参加者が内集団成員と外集団成員に対し罰の機会を与えられる実験を実施した。実験の結果,仮説を支持する結果が得られた。参加者は,外集団の非協力者よりも内集団の非協力者を罰するためにより多くの金額を支払った。

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【実験社会心理学研究・掲載論文】品田瑞穂(2009) 二次の協力行動としての第三者による罰行動 https://t.co/OXy5mvj2gf
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罰行動 https://t.co/i77Bf1O85a
https://t.co/1tk8gOH6Gw 以前、この実験を被験したことがある。不公平、不平等が発生した際に、第三者がコストを払ってでも罰を与える、というもの。結果を見ると参加者の半数以上が自身の不利益を被ってまで罰を与えたとのこと。 そして所属が同じ者に対して罰を与えやすい、とのことです。
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