著者
尹 聖鎮 田内 健二 高松 薫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.15-25, 2003-01-10 (Released:2017-09-27)

本研究の目的は,傾斜面でのリバウンドドロップジャンプにおける腓腹筋-アキレス腱複合体の神経筋活動を、跳躍トレーニング経験の相違に着目して検討することであった。9名の競技者および健常者に、30cmの台高からのリバウンド型ドロップジャンプ(RDJ30)を行わせた。着地面の傾斜角度は、上向き斜面8度(U8)、平地面(L)およぴ下向き斜面8度(D8)の3種類であった。その結果、競技者においては、上向き斜面での試技は下向き斜面および平地面と比較して、伸張局面における腓腹筋-アキレス腱複合体の長さ変化に対する踏切中点のアキレス腱張力の比(ATF_<MID>/L_<MTC>)、および腓腹筋-アキレス腱複合体の平均仲張速度(V_<MTC>)は大きいことが認められた。これに対して、健常者においては、上向き斜面および下向き斜面での試技は平地面と比較して、ATF_<MID>/L_<MTC>およびV_<MTC>が低いことが認められた。また、競技者は健常者と比較して、ATF_<MID>/L_<MTC>およびV_<MTC>は,いずれの傾斜面においても大きいことが認められた。上述の結果は、プライオメトリックス手段の一つとして傾斜而でのRDJを用いる際には、傾斜方向や跳躍トレーニング経験の相違によってMTCにかかる負荷特性が異なることを考慮する必要があることを示唆するものである

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