著者
水上 陽真 渡辺 弘之 五十嵐 隆夫 村上 巧啓 佐々 学 河合 幸一郎
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.287-291, 1986-03-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
7

19歳の女性銀行員にみられたユスリカ喘息の一例を報告した. 患者は富山県東部の黒部川河口付近の純農村地帯に居住している. 耕地は殆んど水田であるが, 同地では毎年, 決って6月中旬にユスリカの成虫が群飛する. 患者は3年前より同時期にユスリカ成虫が眼に入り, 著明な眼険浮腫, 結膜充血をきたすエピソードを数回経験していた. 1985年6月17日, ジョギング中, 空中を飛んでいる虫の一群の中を走りぬけた際, その虫を気管内に吸いこみ, 約30分後, 著明な呼吸困難, 喘鳴, チャノーゼを呈して救急入院した. 入院後, 気管支拡張剤, 副腎皮質ホルモンの投与にて症状は改善した. この場所に群飛していた虫は Tanytarsus oyamai オウヤマチビユスリカと同定された. 同ユスリカより抗原液を作製し, 皮膚テスト, RAST, 吸入誘発試験を施行した. これらのアレルギー学的検査はいずれも陽性であり, ユスリカを抗原とする気管支喘息であることが確認された.

言及状況

外部データベース (DOI)

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J-STAGE Articles - 成虫の直接気道吸入にて発症したユスリカ喘息の1例 https://t.co/teXZtnfOs2 今日は完全にお休みにしているので、そういうのもあるのか系論文を雑に読んで頭に突っ込んでるんですが 本当こういうことがあるのか......

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