著者
渡辺 弘之 二村 一男
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 = BULLETIN OF THE KYOTO UNIVERSITY FORESTS (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.1-15, 1971-03-25

京都大学芦生演習林において, 82種の鳥類が記録された。線センサス法によっての個体数調査を3つのコースで, 1969年および1970年の5月に行なったが, 種類数は0. 3 - 1. 3/ha, 個体数は0. 3 - 2. 2/haであった。鳥類の摂食物調査を20種25例について行なったが, ハギマシコ, カヤクグリ, カケス, ヤマドリ, カワガラスのそ嚢・砂嚢から, 砂粒が検出された。
著者
水上 陽真 渡辺 弘之 五十嵐 隆夫 村上 巧啓 佐々 学 河合 幸一郎
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.287-291, 1986-03-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
7

19歳の女性銀行員にみられたユスリカ喘息の一例を報告した. 患者は富山県東部の黒部川河口付近の純農村地帯に居住している. 耕地は殆んど水田であるが, 同地では毎年, 決って6月中旬にユスリカの成虫が群飛する. 患者は3年前より同時期にユスリカ成虫が眼に入り, 著明な眼険浮腫, 結膜充血をきたすエピソードを数回経験していた. 1985年6月17日, ジョギング中, 空中を飛んでいる虫の一群の中を走りぬけた際, その虫を気管内に吸いこみ, 約30分後, 著明な呼吸困難, 喘鳴, チャノーゼを呈して救急入院した. 入院後, 気管支拡張剤, 副腎皮質ホルモンの投与にて症状は改善した. この場所に群飛していた虫は Tanytarsus oyamai オウヤマチビユスリカと同定された. 同ユスリカより抗原液を作製し, 皮膚テスト, RAST, 吸入誘発試験を施行した. これらのアレルギー学的検査はいずれも陽性であり, ユスリカを抗原とする気管支喘息であることが確認された.
著者
竹森 康弘 澤武 紀雄 里村 吉威 太田 英樹 渡辺 弘之 河上 浩康 岡井 高 高橋 豊 磨伊 正義 服部 信 秋山 高儀 永川 宅和 橋本 琢磨
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.2386-2392, 1987 (Released:2007-12-26)
参考文献数
24
被引用文献数
6

各種消化器系疾患 (悪性疾患455例, 良性疾患303例) の血清CA 125値を測定し, 臨床的意義を検討した. 膵癌(66%), 肝細胞癌(51%), 胆道癌(47%)の順で高い陽性率がみられた. CA 19-9, DU-PAN-2, CEA陰性の膵癌でCA 125陽性例がかなりみられた. 胃, 大腸癌での陽性例はほとんど stage IV以上または非切除例で, 特に腹膜転移群では他のマーカーに比して明らかに陽性率が高かつた. 一方, 良性疾患での偽陽性率は一般に低かつたが, 腹水を有する肝硬変, 劇症肝炎, 重症の膵炎では本抗原の上昇がみられ, その増減は腹水の消長に一致していた. 以上より, 血清CA 125は膵, 胆道癌の診断のみならず, 腹水や腹膜転移の有無を把握するのに有用と考えられた.
著者
渡辺 弘之
雑誌
ミツバチ科学 (ISSN:03882217)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.110-114, 2003-11-30
著者
渡辺 弘之
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.302-305, 2003-12-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
7
著者
渡辺 弘之 本間 弘行
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
看護研究交流センター事業活動・研究報告書
巻号頁・発行日
vol.15, pp.89-90, 2004-06

「こころの病い」は現代におけるキーワードの一つである。こころの病いから生じる生きにくさをどう捉え,受け入れているのか.回復まで過程において,自己の経験をどう客観化することは,自分にとっての病いの意味を考えるだけでなく,自分自身を知る手がかりともなる.「語り」を通した体験の共有化や,内面的世界を表現することは,病いを通して自己を捉える作業が回復の手がかりとなりうる.
著者
小宮 元晃 柴田 昌三 神埼 護 渡辺 弘之 サン ファン ミン ナム ブー タン
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.55-61, 2001-03-20

株立ち型のタケ(Dendrocalamus membranaceus)は北ベトナムにおいて重要な造林種のひとつにあげられている。この竹林の適正な管理方法を示すために,2大産地のタインホアとフートにおいて地上部現存量と新竹生産量を調べた。調査はタインホアとフートにおいて,林齢2〜21年の林分の中からそれぞれ7林分と6林分,計13林分を選んで行った。その年の伐採開始前の各林分に400m^2の調査区を設置し,稈の齢,サイズなどの調査を行った。さらに標本竹として各齢階と直径階から計8〜10本を選び,地上部現存量を推定するために稈のサイズと稈,枝,葉の乾重との間の相対成長式を作成した。また1年生の竹より新竹生産量を推定した。現行の管理法による林齢10年を超える林分での地上部現存量は約39ton/haで,林齢6年を超える林分での新竹生産量は約12ton/ha/年で安定的に推移していくものと思われた。
著者
古野 東洲 渡辺 弘之
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 = BULLETIN OF THE KYOTO UNIVERSITY FORESTS (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.41-55, 1970-03-25

この研究は, 愛媛県下の西条営林署管内および今治市長沢にあるフランスカイガンショウ林のマツノシンマダラメイガによる被害と雪による被害を, 1968年10月21 - 24日および1969年1月30日に調査し, その被害の状況を記録したものである。雪害は1968年2月14 - 16日にみられた降雪のために, 冠雪によりおこったもので, 当時あ降雪量は西条の林分では40 - 50cm, 今治市長沢の林分では20 - 30cmであったようである。調査したフランスカイガンショウの林分は調査時つぎのような状態になっていた。西条の林分は, 約1haで, 1930年に造林され, 平均胸高直径は18. 5cm, 平均樹高は推定13m, ha当り1257本で, フランスカイガンショウの純林であったが, 雪害で大きな被害をうけていた。今治市長沢の林分は, 西南向きの斜面に成立し, 約0. 2haにフランスカイガンショウに少数のアカマツ, クロマツが混生していた。ha当りの立木本数は7033本の高密度で, そのうちフランスカイガンショウは6368本であった。この林分は, 1952年秋に40年生のフランスカイガンショウを伐採した跡地に天然更新でできあがったもので, 胸高直径は1cmから12cmまで, 樹高は2. 1mから8. 9mまでの各種の大きさの個体よりなり, それぞれの平均値は4. 5cmと5. 5mであった。この林分も雪害で激しい被害をうけていたが, 約100m離れた尾根に植栽されている約0. 1haの小林分 (平均胸高直径9. 7cm, 平均樹高7. 2m, ha当り2000本) では, 雪による被害は軽微であった。雪害調査は, 幹の折損および幹の曲りを記録し, 折れたものでは, その状況 (幹が全く切断されているもの, 幹は折れているが一部で付いているもの, 幹が割れているもの) およびその位置 (樹冠内および下枝より下部) を調べ, 折損高を測った。さらに長沢の林分では折損部の直径を測り, 折損部を分枝部, 分枝部上部, 分枝部下部および節間に分け調査した。フランスカイガンショウに対するマツノシンマダラメイガの加害はすべて幹に限られ, その被害率は, 西条の林分では43%, 長沢の斜面の林分では3%, 尾根の林分では6%で, 西条と長沢で差がみられた (表-1)。雪害は幹の折れと曲りが大部分で, 幹の割れや枝抜けは数例みられたにすぎなかった。雪害率は西条の林分では71%, 長沢の斜面の林分では80%で雪害は激しかったが, 長沢の尾根の林分では13%の微害で, 長沢での両林分の雪害差の原因は, 林分を構成している個体の形状比にあるようであった (表-1, 2, 3)。雪により激害をうけた両林分を比較すると, 西条では幹の折れが雪害木の大部分 (98%) を占めていたが, 長沢では幹の折れと曲りがほぼ半々であった。さらに, 幹の折損で, 西条では折損木のうち完全に切断されたものが72%であったが, 長沢では4%とすくなく, 両林分で雪害のあらわれ方に大きな違いがあった。この原因の1つに両林分の幹の形状比の違いが考えられる (図-1)。幹の曲ったものは形状比の大きいものに, また胸高直径の細いものに多くあらわれている。幹の折損部は胸高直径が太いものは樹冠内で, 細くなるにしたがって樹冠の下で折れる個体が多くなっているが, 長沢の林分では, 折損木の23%が, 西条の林分では75%が樹冠内で折れていた (図-3)。さらに長沢の林分では, 枝階の分枝部の直ぐ上で折れているものが67%で最も多く, 分枝部 (15%), 分枝部の直下 (10%), 節間 (8%) の順になった。折損高は, 長沢では樹高の0. 2 - 0. 5倍の位置に集中 (69%) し, 大部分 (91%) は樹高の0. 6倍より下で折れていた (図-4)。西条では樹高の0. 6 - 0. 8倍のところで折れたものが多かった。折損部の直径は, 大部分の個体では, 胸高直径の0. 7倍より太く, 折損個体の約半数は胸高直径の0. 7 - 0. 9倍の太さのところで折れていた (図-5)。附近のアカマツと比較して, フランスカイガンショウは雪に対してやや弱いようであった (表-1, 4)。西条の林分で, マツノシンマダラメイガの被害をうけていた73本中, 虫害部で折れていたものは4本で, また, 雪で折れた119本中, 42本は虫害をうけていたにもかかわらず, 健全部で折れていた。すなわち, 本調査でのフランスカイガンショウの雪による折損はマツノシンマダラメイガによる幹の被害とは, とくに関係がないことがわかった。以上の結果から, フランスカイガンショウは, マツノシンマダラメイガによる被害に加えて, 雪に対しても相当に弱いことがわかり, 生長が非常に良いということで, これらの要因を考慮せずに利用することには, 大きな危険がともなうのではないかと考えられる。
著者
渡辺 弘之 阿部 健一 星川 智之 Prachaiyo Buared Sahunalu Pongsak Khemnark Choob
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.45-54, 1990-06
被引用文献数
1

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
渡辺 弘之 登尾 二朗 二村 一男 和田 茂彦
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
no.41, pp.1-25, 1970-03
被引用文献数
4

京都大学芦生演習林 (京都府北桑田郡美山町) においては, ッキノワグマは最も重要な林木への害獣である。クマは6月上旬から7月中旬にかけて, スギを主とし, ヒノキ, モミ, ツガ, ヒバ, ゴヨウマツおよび植栽されたカラマツ, ドイツトウヒなどの針葉樹とサワグルミ, シナノキなどの広葉樹の樹皮を剥ぎ, 形成層部をかじる。最も被害の大きいスギでは直径12α η, とくに20cm 以上のものを好み, 高さ2 - 4mまでの樹皮を剥ぎ, そのうちの地際より1 - 1. 5mまでの形成層部をかじる。一度に5 - 10本が被害を受け, その剥皮面積は0. 9 - 2. 1m_2にも達する。大面積を占める天然林中のスギでは胸高直径20cm以上のもの20 - 40%が剥皮の害を受け, 人工林ではまだ面積は小さいが, 地域によって80%に及ぶところもある。クマによって全周剥皮されたスギは枯れるが, ほとんどのものは部分的な剥皮であるので, 枯死することは少ない。しかし, 剥皮されたものは枯れなくても, 生長量は減少し, 剥皮部が腐朽し, 利用材積は小さくなるし, 品質は著しく悪くなる。また, 芦生演習林において観察されたクマの摂食あとや糞の内容物, 捕獲されたクマの消化管の内容物から, クマはクリ, ミズナラ, ヤマブドウ, アケビ, アオハダ, カナクギノキ, スモモ, カキなどの実, キイチゴ, クマイチゴ, バライチゴの実, ネマガリダケのタケノコ, ウバユリ, バイケイソウ, カンスゲ, シシウド, カニコウモリ, イタドリ, フキ, ウワバミソウなどの葉, 茎, 根とムネアカオオアリ, ミツバチ, スズメバチ, カニなどを食べていること, クマの越冬穴にはスギ, ブナ, ミズナラなどの大径木の空洞が利用されていることがわかった。
著者
渡辺 弘之
出版者
上越ニックサービス
雑誌
NICかわらばん
巻号頁・発行日
vol.461, pp.2-2, 2011-03-03