著者
平 理一郎
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3-4, pp.152-164, 2020-12-05 (Released:2021-01-08)
参考文献数
65

本稿は前半部において,まずげっ歯類の脳の神経細胞活動を同時に多数記録する方法としての2光子顕微鏡について,その歴史を概観する.その後,広視野2光子顕微鏡の代表として,筆者が留学していたスミス研(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)の最新の2光子顕微鏡を紹介する1).後半では,2光子カルシウムイメージングとニューロピクセルプローブを用いることで数千の神経細胞活動を同時記録した研究論文を3編紹介し2~4),それらが明らかにした点を概観することで,同時多細胞記録によってどのような脳の性質が解明されうるか,またされるべきかを考察する.最後に,そうした特徴の1つの候補として脳の「全体性」について述べる.

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先日のワークショップの世話人先生の仕事を今更ながら見てて(すみません)、刺さる文言を見つけてしまった。 手持ちのデータを扱うのでいっぱいいっぱいになってて進化のことを忘れてしまってた。反省。 https://t.co/qXBfiaJdCA (以下引用)
平理一郎(2020)「…マルチスケールな大規模包括計測が技術的に可能となっていることは,少なくともげっ歯類において,脳の全体性を解明する時代が到来していることを意味している.」https://t.co/GI5QKJGNXn …神経細胞活動測定のムーアの法則!

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